五月のミルを配信している動画配信サービス

『五月のミル』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

五月のミル
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『五月のミル』に投稿された感想・評価

学生時代にVHSレンタルで鑑賞して以来。HD版DVDが存在したのでレンタル。

1968年にフランスで起きた「五月革命」を時代背景に、平穏な田舎町を舞台に、亡くなった老女の葬式のために集まった個性豊かな親族たちの人間模様をシニカル描き出す・・。

ルイ・マル監督と聞くと、どうしても「死刑台のエレベーター」のような初期の作品群に見られるヌーヴェル・ヴァーグの先駆者的なイメージが強いが、本作や「さよなら子供たち」のような晩年の作品では、奇をてらわない落ち着いた円熟味溢れる演出で、良い意味で“分かりやすく見やすい”内容となっているなあと感じた。

それでも、いくらフランス映画と言えど、1989年にゲイの若い女性キャラクターを登場させるなど先見の明が見られて流石と思わせる。
タイトルだけだと、てっきり可愛い子役が主役かと思うが、ミル役は頭も禿げ上がったフランスを代表する名優ミシェル・ピコリという皮肉も面白い。

会話の中で五月革命や共産党、学生デモなど政治的な話題も多く出るが、特にフランスの近代史に詳しくなくても、フランス映画が好きな方なら純粋に楽しめる内容だと思う。

まだ幼い子供がいる前で真っ昼間から大人たちが堂々とSEXについて論議したり、ヒッチハイクで乗せてもらったトラック運転手をそのまま屋敷に居着かせたり、老女の亡骸を前にしても誰一人涙を見せることもなく、中には唐突に悪口を言ったり・・といったフランス人らしい鷹揚かつ個人主義的な考え方も興味深い。

本作に限らず、フランスの田舎町を舞台にした作品は、やはり、緑溢れる大自然に囲まれた長閑な風景が美しい。大きなテーブルを囲み親族一同でブランチする、豪華でなくとも様々な食材が並んだ色彩に満ちたテーブルは見ているだけで食欲をそそられる。蝋燭の灯りの下でのディナー、大木の下でのピクニックなど、本作でも皆で食事を摂るシーンが随所に登場する。

特にドラマチックな展開があるわけでもないストーリー内容ではあるが、会話劇中心なので、フランス語が分かればもっと楽しめたであろうな。例えば、日本語字幕が少々古いなあと思われる部分もあり、“色魔”とか、今の若い人に通じる言葉なんだろうか?

自分自身、アンティークには全く興味はないが、家具が遺産相続の対象になるという、田舎とはいえフランスのブルジョワ階級の豪邸ならではの豪華絢爛な内装も見どころの一つ。

個人的にはミルがザリガニを捕るシーンが、コミカルでありながらもショッキングで一番印象に残った。
kojikoji

kojikojiの感想・評価

3.5
#1211
1988年 フランス🇫🇷映画
監督はルイ・マル
「死刑台のエレベーター」「地下鉄のサジ」

五月革命最中のフランスの田舎町、母の葬儀のために集まったブルジョワ一家の様々な人間模様を描く。

1968年5月。パリは五月革命が勃発している。そんな時、南仏、ヴューザック家夫人が突然の発作で亡くなる。長男のミルは早速家族に連絡するが革命騒動でてんやわんやの状態。集まったのはミルの娘カミーユとフランソワーズたち3人の子ども、姪のクレールとそのレズビアン友達マリー・ロール、弟のジョルジュと彼の後妻リリー。
しかし彼らの話題は革命と遺産分配のことばかり。
おばあちゃんの死なんかそっちのけでドンちゃん騒ぎ、一方で革命の行方も気になる。  
観ているこちらは隣の部屋に放置されたような死体の処理が気になるのだが。

葬儀に集まっているのに、死体はそこに放置したまま、酒を飲んで、おしゃべりして、踊って、至る所で、相手も入り乱れて愛を語る。愛し合うことに貪欲なさすがフランス🇫🇷。とても彼らの感覚がわからない。見知らぬ他人が入って来ても警戒することなく一緒に食事をする。ブルジョワ感覚なのだろうか、とにかくのんきだ。

彼等のどんちゃん騒ぎと並行して、5月革命の方も状況がどんどん変わっていく。しかし彼らにとってそれがどれくらいの深刻な問題なのかもよくわからない。
ただブルジョワであるため革命によって標的にされた過去の歴史がしっかりDNAに残っているのだろう。いつ共産党がこの家を没収しに来るかわからないという恐怖は、ドゴールが逃げ出した情報が入ると、家を捨てて、山へ全員で逃げ出す。やっとそんな感覚なのかとわかる。
 ドゴールが絶大なる支持を得たとの情報で5月革命の嵐も去り、どんちゃん騒ぎも終わる。遺産相続にサインをして、皆が元の生活に戻って行ったあと、一人残されたのはミルだった。ラストのシーン、ミルがお母さんの面影を見つけ、二人踊るシーンを見て、やっと気持ちが落ち着きホットした。
でも、この映画そんな映画なのだろうか。

ミル役を好演したのは、フランスを代表する名優ミシェル・ピコリ。
私が初めてフランス映画を体験したカトリーヌ・ドヌーブ主演映画「めざめ」の相手役だった。「なんでこんなハゲと!」のイメージが強く忘れられない役者。

2023.05.30視聴246
のんchan

のんchanの感想・評価

3.8
ルイ・マル監督は2本しか観てないものの、このジャケ写の🟢に合わせ、どうしても今月中に観たかった😁

しか〜し始まるやミツバチ🐝の大群、そして首が真っ黒になりギッシリとミツバチに貼り付かれてるお爺さんのドアップ😱ギャ〜ヤダよ〜😵
それだけ長閑で自然ってことなんですが...


1968年5月、パリは五月革命の最中。南仏の田園地帯の旧家ヴューザック一家のお話。
その日は母の日で家族が集まって来る日だった。高齢の母親は料理をしている最中に発作が起き急死してしまう。
長男のミル(ミシェル・ピコリ)は今までもこれと言う仕事をせずに母親と暢気に暮らしていた。
ミルの娘(ミュウ=ミュウ)夫婦と3人の孫、弟夫妻、レズの姪とその友人らが集まって来るが、パリの騒動の影響で葬儀屋もストライキ。近所の人まで避難して来る始末。
母親の葬儀がいつになるのか定まらない中、親族は遺産分割のリアルな話をし、調度品や食器は均等に分ける作業を始める。
ミルはほとほと嫌気が差し、孫娘と川にザリガニ捕りに行ったり、事が進まない中、皆んなでピクニックをしたり...
ブルジョワ気分の抜けない一家の数日を、ジャン・ルノワール的な、のんびりとした狂騒を上品な猥雑さ?と言うべきタッチで面白おかしく描き出され、ところどころにクスクスと笑える独特の世界観を楽しめます。

一同が去った家にポツンと1人残されたミルは、幻想の中で母親とダンスのステップを踏む🎶🎹
寂しくも温かい風が吹いていました🟢

『五月のミル』に似ている作品

田舎の日曜日

製作国:

上映時間:

95分
3.8

あらすじ

自然豊かなパリ郊外に家政婦と共に暮らす老画家・ラドミラル。日曜日にはパリから息子夫婦が孫を連れてやってきて、一家団欒の光景に満足げに微笑む。そこへ、滅多に来ない娘・イレーヌが訪ねてくる。恋…

>>続きを読む

しあわせの雨傘

上映日:

2011年01月08日

製作国:

上映時間:

103分

ジャンル:

配給:

  • ギャガ
3.4

あらすじ

スザンヌ・ピュジョルは朝のジョギングを日課とする幸せなブルジョワ主婦。彼女の夫・ロベールは雨傘工場の経営者で、亭主関白。ある日、ロベールが倒れ、スザンヌが工場を運営することに。彼女ならでは…

>>続きを読む

草の上の昼食

製作国:

上映時間:

93分

ジャンル:

3.9

あらすじ

生物学者のアレクシは、人工授精で優秀な子供を残すべきとの主張を掲げ、欧州代表大統領選に出馬しようとしていた。一方、男に幻滅していた農家の娘・ネネットはアレクシに賛同、彼の研究の実験台になろ…

>>続きを読む

8人の女たち

上映日:

2002年11月23日

製作国:

上映時間:

111分
3.7

あらすじ

1950年代のフランスの田舎町。クリスマスを祝うため大邸宅に家族が集まっていた。だが、メイド・ルイーズが一家の主・マルセルの寝室に朝食を持っていくと、マルセルは背中を刺されて死んでいた。警…

>>続きを読む

5月の花嫁学校

上映日:

2021年05月28日

製作国:

上映時間:

109分

ジャンル:

3.2

あらすじ

1967年。美しい街並みと葡萄畑で有名なフランスのアルザス地方にあるヴァン・デル・ベック家政学校では、”完璧な主婦”を育成させるため今年も18人の少女達が入学した。ある日、校長のポーレット…

>>続きを読む

すべてうまくいきますように

上映日:

2023年02月03日

製作国:

上映時間:

113分

ジャンル:

3.8

あらすじ

芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれ、何より生きることを愛していた85歳の父アンドレが突然、安楽死を願う。脳卒中で倒れたことによって、身体の自由がきかなくなったという現実が受け入れ…

>>続きを読む