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超酔拳のtakのレビュー・感想・評価

超酔拳(2002年製作の映画)
3.4
カンフー映画が香港映画の主流でなくなって久しい。それは映画に活躍の場を見いだすような真の武術家がいなくなっているからだろうか。本作は、そんな現代にショウブラザースが放った21世紀型カンフー映画だ。これが伝統的なカンフー映画の要素が随所に散りばめられた作品となっていた。

監督・出演は「少林寺三十六房」のラウ・カーリョン。最近では「セブン・ソード」にも出演し、健在なところを見せている。彼は「ワンチャイ」シリーズで有名な実在のヒーロー黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)とその弟子が広めた洪家拳を、今に伝える達人である。その義理の弟がゴードン・リューことリュー・チャーフィー。タイトルバックで演舞が披露されるが、これもカンフー映画の伝統だ。そして勧善懲悪に徹したストーリー。

猿拳を身に付けようとするおちゃらけた若者二人が、物語を軽くしてしまっているが、これも80年代のコミックカンフーの流れと思えば憎めない(笑える場面はないけどね)。

1930年代の中国が舞台。重要な物品を運ぶことを役割とする通運局で護衛の役割をする猿拳の達人がラウ・カーリョン。ところが弟がアヘンを密売していることを知る。弟は兄を殺そうと旅の途中で罠にかける。辛くも生き延びたカーリョンは、助けてくれた娘に猿拳を伝授。そこに猿拳を会得しようとする青年二人と追っ手が迫る、というお話。

見どころはやはりラウ・カーリョンの華麗なカンフー。これが本物だ。ショウブラザースのマークに有り難みを感ずるあなたなら、きっとこの21世紀製作のカンフー映画を楽しめるはず。クライマックスの洪家鉄線拳との戦いなんてお涙もんだよ。
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