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袴田巖 夢の間の世の中
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『袴田巖 夢の間の世の中』に投稿された感想・評価

昨日私は静岡県の由比というところに桜えび(旬の生の)を食べた。レストランは東海道線路沿いにあり時々黄色い短い列車が通る。映画ではその先の清水駅あたりの線路沿いの古い建物が写っていた。50年前味噌工場の専務宅が全焼し専務一家4人が殺害された「袴田事件」の現場だ。2014年3月27日、袴田巌さんは1966年7月の逮捕から48年後、警察の証拠品捏造、自白強要等の疑いを排除出来ぬと判断され地裁は拘置停止とした。(抗告されたため無罪ではない)袴田さんは48年の拘禁生活を終え、3か月の入院後姉の秀子さんの家で「自由な」生活に戻って行った。

巌さんの長姉によると「私は結婚して子供と家族ので手一杯だけど秀子(次姉)は独身で自由がきくから」とのことで秀子さんが巌さんを支えつづけ、今も自宅に引き取り面倒を見ている。
81歳の秀子さんは毎日腹筋などの運動を30分行い、家を歩き回る巌さんのために常に床をピカピカに掃除、パソコンで麻雀をするのが趣味。

巌さんは死刑宣告を受けた頃から精神に異常をきたし、出所時には完全に自分の世界にこもっていた。ご飯の後には「イリストのパン」をねだり一日中家の中をぐるぐる歩き回り(独房でもそうしていた)インタビュー時には「全世界を制覇し王である私は…」と意味不明で聞き手も「そうですね…」というのみ。
数ヶ月後寝て過ごすことが多くなったと思ったらウズラの卵大の胆石があり胆嚢切除、更に心臓も弱く、足の爪もボロボロだった。

秀子さんは話の間に笑いを入れるような気丈な人で、人生と、精神と、健康全て失い抜け殻のような巌さんを見守った。ドキュメンタリーの始まりと終わりでは巌さんの様子が変わってくる。そこが一番の成果であり見所だ。

約半世紀にわたる拘禁が精神を破壊した…それをノンフィクションで見せられて衝撃だった。うつろな顔が残酷に悲しかった。

事件の真相は関係者全て正直に手続きして、秀子さんを安心させて欲しい。
袴田巖さんの無罪が確定したら、日本政府は巖さんと姉の秀子さんに (お金の十全な補償だけでなく) 国民栄誉賞を贈るべきですね♪ 秀子さんを法相にするのもいい。そしてノルウェイの委員会は、ノーベル平和賞を二人と支援者たちに贈りましょうね♪ 期待しております✨✨
求められるのは、人の道。


この映画の印象的シーンは…

❶ 「私が体力を落とすわけにはいかない」とお姉さんがソファーの上で毎日行っている筋トレ(腹筋)✨
❷ 刑務所内でずっと続けてきた行為をやめることができない巖さんが毎日部屋の中を機械のように行ったり来たりひたすら歩き回る😨😨
❸ 死刑囚ということで足の爪をめったに切らせてもらえなかったために、巖さんの足の爪は鷲の爪のように恐ろしくカギ状にボロボロに変形している😰😰😰😰
❹ 巖さんが将棋で監督を負かしては「はっはっ。まだまだだな」と楽しそうに笑う😊


▼▼注意▼▼
ここから先は、少し危険な文章になります🖌️





既に多くの人が「じゃあ、真犯人は誰?🤔🤔🤔」と暇つぶしに調べたりして、顔写真つきでMさん (殺された被害者家族のうちの唯一の生き残り・当時19歳の勘当され中だった長女) を犯人扱いしてるいくつもの記事に接してしまっていると思います。
ここで「ウン、怪しすぎる😕😕😕」と短絡的に彼女を真犯人視することは、袴田巌さんに冤罪の苦しみを強いた悪魔的世間 (もちろん、その首謀者は静岡県警と検察と裁判官たちの一部。マスコミも大いに加担) がやったのと同じ愚行です。
私は、袴田さんの無実を10000%信じていることを前提に、あえてMさんの国選弁護をしてみたいと思います。

まず、客観的事実として、「殺された四人のうち、最も無残にまるで怨恨ゆえのごとく破壊されて殺されていた次女・橋本扶示子さん(当時17歳)が、熱烈なザ・ビートルズファンであり、事件前日に初来日して事件当日に初回公演を日本武道館で行ったビートルズの、二日目公演チケットをゲットして、東京行きのためのドレスを親に買ってもらってそれはそれはウキウキしていた。そんなタイミングで何者かに突如殺された」というのがあります。(武道館使用に関して右翼がビートルズへのテロ予告をするなどの不穏情勢があり、警視庁が警護のために3万5千人もの警官を動員していた夜ですから、静岡県警からも大量応援は当然したはずで、殺しのプロたちが味噌会社専務宅で事件を起こすとしたらうってつけの晩だったと思えます。)
それと、真偽の確認はとれませんが、「次女の死体の頭の下には生理用ショーツが、背中の下にはビートルズ公演のチケットがあった。ひどい悪意がありすぎた。そしてチケットは、袴田さんからプレゼントされたものだった」というネット記事も私は読みました。

もしも、次女と当時不仲であったとされる長女が次女らへの殺人に関わっているとしたら、長女はその後の67歳までの人生において、ビートルズの音楽を、怖くて怖くて、聴くことはできなかったでしょう。
それが例えば煽り立てのリズムが快感である50セントやエミネムであれば、自分が殺めた妹が愛していた音楽であっても、平気で大音量で聴いて酒を飲むこともできたかもしれない。でも、ビートルズは、「和音の範囲内にずっとある旋律」の美しさと、主に「愛と精神性」を説く歌詞と、二声・三声の完璧ハーモニーヴォーカルを基本にした大衆音楽なので、私たちがビートルズに惹かれている時に脳が感じ取っているものは、第一に「調和」なのです。
したがって、妹ら家族を怨恨と若気の至りで殺害した女性が、その後平然とビートルズを聴くことは、できません。これはビートルズの魅力の本質を理解していれば全世界のほぼすべての人がわかることです。 
しかも、袴田さんの死刑が最高裁で確定され、さらに判決訂正申立が却下された1980年11〜12月における地球最大のトップニュースは、ジョン・レノン暗殺だったのではないかと私は思いを馳せます。
ビートルズを武道館に見に行く前夜に死んだ可哀そうな妹を「殺した」とされる袴田さんの、死刑が初めて正式に確定したタイミングで起こった「レノン暗殺」に、姉が動揺し、何かを思ったのは、間違いありません。「関心なかった」などということはまずないのです。

もしも、そんな姉が殺人者だとしたら、彼女は何歳になってもビートルズを極力避け続けたでしょう。人間の心とは、そういうものです。
けれど、一種特別な感慨をもって、いずれかの時期にレノンの「イマジン」ぐらいには惹かれたとしても、おかしくはない。レノンの放つ「愛、平和、反骨」のロックの普遍性はハンパないですし、解散後のレノンが「僕はビートルズを信じない。ポール・マッカートニーを信じない」と歌ってビートルズを「否定」したことも、ビートルズを聴く勇気を持てない犯罪者にとっては「とっつきやすさ&プチ贖罪のヒリヒリした心地よさ」をくれる好材料だったことでしょう。(←あくまでも仮定の話です。ご注意。)
しかしながら、ビートルズ好きの妹を殺した姉であるならば、マッカートニーの音楽を聴いたり好きになったりすることは、一生ムリだったはずです。なぜなら、世界音楽史において、「マッカートニーミュージック」は、「ビートルズへの全肯定」をおおらかに含む概念だからです。

もし万が一、姉が嘘つきな真犯人(首謀者または共犯者)であったとすれば、彼女は、年とってからの自分の風貌が、ビートルズ解散後のレノン(のよく知られた簡略的な自画像)そっくりであることを鏡でふと知って愕然としたかもしれず、マッカートニーが1966年以来約48年ぶりに武道館公演を行うその直前、という微妙すぎるタイミングで袴田さんの再審&釈放が決まったことに「ふりだしに戻るんだ」と怯えきり、または混乱し、万事休する前に自殺した、という流れもありえます。(静岡県警は「病死」と早々断定してますが、誰がそんなの信じるかってば。)

……「馬鹿な少女さん、自分が何をしたかを見なよ」(ポール・マッカートニー/マーサ・マイ・ディア 1968年)

……「君はその重荷を背負っていくんだ。これから長い間ずっと」(ポール・マッカートニー/キャリー・ザット・ウェイト 1969年)

可能性と蓋然性の総和こそが刑事裁判においては大切なので、客観性の範囲内で想像を逞しくしてみました。長女を私が犯人視しているわけではもちろんありません。くれぐれも。。

なお、獄中の袴田さん宛てに、世界25カ国から12000通以上の励ましの手紙が届いたそうですが、その約半数は、英国からの手紙だったとのこと。ビートルズ初来日公演初夜にビートルズの熱烈ファンだった次女さんが殺されたこと、そしてその年から袴田さんが収監され続けていることを、英国の多くの人が知ったからこそ、痛ましさ・いたわしさでそのような励ましをくれたのだと私は推測します。

さて、弁護士として私は、最後に確信持って提言します。長女さんにかけられているらしい嫌疑を晴らすためには、「1966年以降、(いつの頃からか、妹への哀悼心もあって) 長女はビートルズを愛聴してきた。特に、マッカートニーを気に入っていた。2014年5月のマッカートニーの幻の武道館公演を楽しみにしていた」ということの、証拠を出せばいいのです。
いとも簡単。長女さんの潔白を証明したい方は、是非彼女の指紋のいっぱいついたビートルズやウイングスやソロポール等の音楽ソフト、コンサートチケット、ビートルズ愛を語る日記・手紙、ファンクラブ(BCC/BC)在籍歴、それに証言などを、世に示してください。
最強の無罪立証になります。

……「お願いだから、僕を思い出してくれ。恋しいマーサ。僕を忘れないでくれ。愛しいマーサ」(ポール・マッカートニー/マーサ・マイ・ディア 1968年)
先日観たばかりの『ふたりの死刑囚』でも描かれていた、2014年に釈放された袴田巌さんのその後を追ったドキュメンタリー。本作ではそれまでの経緯に触れる事はなく、巌さんの日常を淡々と映し出しています。

釈放直後の巌さんは、精神状態にかなり問題があることがスクリーンを通しても分かる程。48年も独房に閉じ込められことで拘禁反応という症状が出ていたそうで。
拘置所での習慣と思われる、同じところをぐるぐると歩き回る、食事前に妄言を唱える、食後にはイリスト風味パンという架空の食べ物をねだる、そして自分は全知全能の神として世界に君臨していると信じ込んでいる、等々かなりヤバい感じ。
よく考えると、半世紀も監禁されていた人を観察するという経験は誰もしたこと無いはずなんだよね。不謹慎な言い方かもしれないけど、すごく貴重な映像だし、医学的な見所もたくさんあるはず。

そんなわけで、姉の秀子さんの家で身の回りの世話をしてもらいながらの生活です。秀子さんはずっと巖さんを信じて冤罪を訴え続けてきた方でもあります。繰り返される妄言や奇行への対応もこなれたもの。
彼女はただ「巖が生きていてくれて良かった」という。その言葉には国への怒りなどはなく、弟を生かしてくれていた事に心の底から感謝している。人間って凄いんだって事を思い出した。

時を経るにつれ巌さんの精神状態も落ち着きを見せ始め、一人で買い物をこなせるようにまでになる。失われた時間は取り戻せないけど、心穏やかに余生を過ごせるよう祈りたい。

冤罪や死刑制度といった、この国の刑事司法の問題については『ふたりの…』の感想にたくさん書いたので、良ければそちらも見ていただければ。

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