Makiko

ノンちゃん雲に乗るのMakikoのレビュー・感想・評価

ノンちゃん雲に乗る(1955年製作の映画)
3.4
可愛らしいお話。石井桃子氏原作の児童文学を映画化したもの。
10年ほど前に大橋のぞみが出した同原作の同名歌曲が『ノンちゃん雲に乗る』とのファーストコンタクトだった。幾歳月が経っても色褪せない子どものためのファンタジーなんですね。

まだ「社会」という組織の中にいることを意識していない子どもは「楽しい」「悲しい」「面白い」などシンプルな感情に従って毎日を送っているけれど、大人はそれを見てハラハラしている。お兄ちゃんが車ストップをやってお父さんに怒られているシーンとか、雲の上の世界の話をするノンちゃんを見てお母さんが涙するシーンなど、子どもから見えている世界と大人から見えている世界のズレが切ない。

ノンちゃん役の鰐淵晴子さんによるトークショー付きの上映回。とってもチャーミングな方だった。原節子と一緒に仕事をした人の貴重なお話、なかなか簡単に聞けるものではないぞ。シネマヴェーラさんに感謝。
鰐淵さんは本業がバイオリニストなので、当時は子役の経験が一作あるかないかくらいなのにノンちゃんを演じる姿はすごく板についた感じ。お歌にバイオリンの演奏シーン、加えてバレエの場面もあり、なんと多才な!!とビックリ。
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