はる

ザック・エフロン in ダービースタリオンのはるのレビュー・感想・評価

3.1
願いは託され、未来へと続く


当時ザックは若かったのに、映画タイトルに名前を入れられるのだから、彼のスター性は素晴らしいですね。

本作、挫折を経験したことのあるキャラばかりです。父に期待されるも野球が好きになれない主人公パトリック、故障により野球を断念した父。引っ越してきていじめっ子との関係に悩む少年、見捨てられた競走馬、騎手を諦めたおじさんヒューストン。


みんな、才能のあるパトリックに、自分の挫折経験ゆえの願いを託すんですよね。挫折はね、誰しもが経験する苦みだから。誰かに託したくなることも、なかにはありますよね。そう考えると、普遍的な話なのかもしれません。

なぜ、パトリックは最初からヒューストンと交流を深められたのか。本作では、気持ちを言葉にすることと同じくらい、言葉にできない想いを感じることの大切さを描いています。パトリックが馬と絆を育む際、結局はパトリックが馬小屋を掃除したり、筋肉の動きで察するしかなかったりで、言葉は交流ツールとして使えなかった。

言葉を使わない独特の交流をヒューストンも、騎手時代に経験済みだったから、当初反抗期でモヤモヤしてたパトリックの気持ちを理解できたのでしょう。

でも、言葉にしなきゃ伝わらないことってあるじゃないですか。父子の関係とか特に。パトリックと父の仲が深まったのは、パトリックが思っていることを、言葉にしたからですよね。

言葉だけじゃ成り立たないし、想うだけでも続かない。人生は特に複雑で、でも意外に簡単だったりする。少年の障害競馬レースへの挑戦をとおして、そのようなテーマが描写されるとは想像してなかったので、意外性がありました。

あと、ザックエフロンはやっぱり可愛いです。
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