炭酸煎餅

トランサーズ/未来警察2300の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

3.9
アマプラ見放題の「あなたが興味のありそうな映画」で出てきて気になったので観てみたら、まさに「そう、B級映画観る時はこういうのが観たくて観るんですよ!」という感じの映画でした……くそう、やるじゃねえかアマゾンw

低予算感モリモリながらどう見ても「ブレードランナー」リスペクト……というかこれもうイタダキでは?というレベルの開幕シーンで道端にデッカードセダンそのものが駐めてある(どっから持ってきたんだ)のを見た時にはこれはヤベーもん始まったな……とか思ってたんですが、物語はすぐに、主人公が追っているヴィランが時間転移(意識だけを当時の血縁者の身体に送り込むという方式)して過去へ逃亡したという事で舞台は1985年へ。そうかやっぱり全編ブレランは流石にお金かかるもんね……と変な納得をさせてくれながら、「命を狙われる政府要人の先祖を探して守りながらヴィランも倒す」という、今度は「ターミネーター」を思わせる展開になっていきます。(ターミネーターはほぼ前後するくらいの作品なので多分こっちは偶々ですが)

筋立て自体はまあセオリー通りのサスペンスという感じなのですが、手慣れた感じで安定感のある演出の緩急や細かいSF的ギミックの活かし方にはなかなか面白いものもあり、気軽にテンポよく観られる定番的なB級SFに仕上がっていたんじゃないかなと思えました。
ヴィランの能力(心の芯の弱い人間を思念波で傀儡にする)で操られた人間はなんだか血色が悪く皮膚が荒れた感じになる、というゾンビもの的な設定もあったりしてさらなるジャンルゴチャ盛り感も楽しめますしねw

ヒロインとイチャイチャしてる所へ主人公の上司が「ようやく先祖を見つけた」と小学生くらいの女の子の姿で現れて、「親の目を盗んで抜け出すの大変だったんだぞ」とか言いながらオッサン丸出しな言動で文句を言いに来るシーンは子役の演技の巧さもあって大爆笑w
ヒロインを演じているのが実は後に「恋愛小説家」でアカデミーを獲るヘレン・ハントという辺りも含めて、色々見どころの多い作品なんじゃないでしょうか。

追記:ところでヒロインがヴィランの名前「ホイッスラー」を「パイパー」って間違えるシーンがありますけど、これってもしかするとヴィランの由来が「ハーメルンの笛吹き男」だっていうメタネタだったりするんですかね……?
炭酸煎餅

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