薪

トゥー・ラバーズの薪のレビュー・感想・評価

トゥー・ラバーズ(2008年製作の映画)
4.5
これは巧すぎる。視線と距離の演出、これこそが映画の醍醐味だと改めて痛感する。
まず、アパートの中庭を挟んだ窓越しのやり取りが素晴らしい。ホアキンとパルトローの身長差もそうだが、部屋の位置関係も常に上下を意識させられる。そして距離という意味では、ホアキンがやむなく彼女の部屋に足を踏み入れてしまうその行為が、一線を超えた行為であると明示的に演出されている。
階段越しでの母親との抱擁(本作ではキスやセックスでは無く、抱擁こそが親密さを表している)に涙し、ダイヤを捨て濡れた手袋を拾うこと(このために冒頭から海が逆算して使われている)には唸るしか無かった。
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