スギノイチ

みな殺しの拳銃のスギノイチのレビュー・感想・評価

みな殺しの拳銃(1967年製作の映画)
3.5
基本的にはやくざ映画によくある「3兄弟モノ」。
この兄弟がお上に反逆するという筋書きだが、主人公達も単なる善玉侠客ではないところがミソだ。
序盤こそ、アジトを荒らされても「奴らに罪はない。命令されてやらされているだけだ」と耐え偲ぶような理知的な組だったのが、いざエンジンがかかると猛烈な暴力集団と化していく。
ダンベルで相手の拳を殴打して潰したり、中指を鍼で貫いたり、主人公サイドとは思えぬエグい攻撃が続く。
かと思えば、日活アクション特有のムードも健在で、どの場面を観てもお洒落なジャズが流れている。
生々しさに走り過ぎないのが良くも悪くも日活アクション。

クライマックスはハイウェイでの銃撃戦となるのだが、ここが格好良かった。
無国籍アクションにありがちな牧歌的な銃撃戦とは違い、ボロボロに這いつくばりながらライフルを撃ちまくる殺し合いには緊張感があるし、人物と一緒に動き回るカメラワークもスタイリッシュ。
藤達也が蜂の巣にされてしまう執拗な処刑シーンも凄い。
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