みーちゃん

フレンチ・コネクションのみーちゃんのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)
4.0
画的には華やかさはないけれど、徹底したニューヨークのオールロケとカメラワーク、編集力によって生み出されるリアリティが凄かった。当たり前かもしれないけど、映画におけるリアリティって、ただ現実を映せば成り立つものじゃないんだって、見せつけられた気がする。

一つの事件の顛末を鋭利に切り取り、目撃させられたような感覚に陥った。バーに捜索に入るシーンなんて、緊張感が半端なくて、自分の心臓の音が聞こえそうなくらい。そんな連続。

その切れ味とは対照的(?)に、ポパイとクラウディの執念の捜査が、決してスマートではないのが尚更リアル。各種張り込みや尾行シーンの演出も素晴らしい。何より目指すゴールが明確で、寄り道を排除して一本道のプロセスだけを描いているところが、かっこいい。

有名なカーアクションは勿論だけど、何気に強烈だったのは、ポパイとクラウディが、盗聴の承認を得るために上司の部屋に行き、上司を真ん中に挟んで二人で説得するところ。あの距離感とテンポ、熱量は圧巻だった。全てのシーンが、二度と再現できないと感じさせる(ジーン・ハックマンは勿論だが、劇中ずっとロイ・シャイダーが良かった)。

ラストのシークエンスはクールに形勢逆転したから、お洒落に行くのかと思いきや、財務省の人の件で、そうきたか!とやられた。そして終わらせ方も最高だった。