シンタロー

僕の彼女はどこ?のシンタローのレビュー・感想・評価

僕の彼女はどこ?(1952年製作の映画)
3.8
身寄りのない大富豪フルトンは、老い先短いことを悟り、今は亡き初恋の女性の家族ブレイズデル家に遺産を譲ろうと考えていた。一家がどんな家庭なのか確かめるために経営するドラッグストアを訪れると、初恋の人にそっくりな孫らしき女性ミリーに出会う。彼女は店のバイト、ダンと交際している様子。フルトンは、ジョン・スミスという貧しい画家と身分を偽り、ブレイズデル家の下宿人になることに。試しに10万ドルを匿名で贈り、一家の様子をうかがうことにするのだが…。
名匠ダグラス・サーク初のカラー作品。名コンビとなるロック・ハドソンとの出逢いの作品でもあります。舞台は禁酒法時代のアメリカ郊外。ミュージカルコメディの様相ですが、歌や踊りのシーンはそんなに多くなく、舞い込んできた大金に狂わされる一家のシットコムといった感じ。初カラーとは思えないサーク調の色彩の鮮やかさ、セットや構図のディテール、演者の衣装等々、飽きさせないこだわりが散りばめられてます。登場人物のキャラも立っていて、特に主人公を慕う可愛らしい末娘ロベルタ、強欲な母親リンが印象的。善意が不幸を招くという皮肉も効いてます。サクッと90分程でおさめてしまう演出、編集が見事。
主人公を演じるのは舞台出身のベテラン、チャールズ・コバーン。コメディに欠かせない肥満体型のおじいちゃんな風貌。モンローの作品でも印象的でした。配列では1番手のヒロインにパイパー・ローリー。大学生の頃、ホラー映画にハマった時期があって、パイパー・ローリー、ジャネット・リー、リー・レミックの若かりし頃の作品は、特別な思いで観たものです。キャリーママがこんな美少女だったとは!御本人は不当な扱いを受けたと仰ってましたが、完全にアイドル女優扱いで、トニー・カーティスの相手役が多かった頃です。本作のロック・ハドソンとのカップルはまさにフォトジェニック!2人ともスゴく可愛いです。一緒にダンスするシーンは何度も観たくなる愛らしさ。パイパー・ローリーの歌う"Gimme a little kiss,Will ya,Huh?"も最高です。エキストラ時代のジェームズ・ディーンがほんの少し出演してますが、割とわかりやすいです。
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