カラン

ネイキッド・タンゴのカランのレビュー・感想・評価

ネイキッド・タンゴ(1990年製作の映画)
4.0
マチルダ・メイ様が相変わらず女神で、赤を基調にしたライティングも凝っており、ロケもよいし、ショットの構図までよい。

にもかかわらず、なぜだかつまらない。『もどり川』とか『失楽園』とかの愛欲の果ての死をやりたかったみたいなのだが、インドの映画みたよう、唐突にタンゴが始まってしまう。このタンゴがダンスとしてどうかは知らないが、映画のショットとしては決まっている。とにかく何があろうとタンゴに持ち込む。

冒頭、大型船のダンスフロアーを出ていき、人目を避けて、甲板にまで上がっていくと、闇の海に飛び込もうとしている裸の女と目が合う。闇に踊るライトと、物陰に潜もうとするマチルダ・メイの眼差しをダイナミックに捉え続けるカメラに感動する。

レナード・シュレイダーは2006年に亡くなった。本作『ネイキッド・タンゴ』が遺作となった。



Blu-rayで視聴。画質は非常に濃い色彩が出ていて申し分ない。音は2chステレオPCM。これも悪くない。
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