pika

ポルノグラフのpikaのレビュー・感想・評価

ポルノグラフ(2001年製作の映画)
3.0
元ポルノ映画の監督をジャンピエール・レオが名演しているが、「サンローラン」のヘルムート・バーガー然りキャスティングの時点でズルイと言うか、キャラクターを超えて役者の背景をも拾ってしまって些細な仕草や眼差しなどの存在感で泣きそうになる。

老いていくことで生じるズレに適合できなくなり、何事も「惰性で愛情を感じて感化される」と語る主人公。久しぶりに復帰した撮影現場や友人の話すコンピュータの話がとても象徴的。
夢中になっていたものが変化していく様や、家庭を持ち愛情が芽生えたからこそ否定されり受け入れられたりということに自分の中で感情が追いつかなくなってしまう。体力が失われていくことで立ち止まり、振り返って見た時の景色が心情とリンクしているように他者との摩擦が生む人生の虚無という退廃が物静かに染み込んでくる。

面白味はあったけど終始眠気とのバトルが大変だった。
pika

pika