イェスタデイワンスモア

TOMORROW パーマネントライフを探してのイェスタデイワンスモアのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

字幕が働かず、字幕なしで見たのでフランス語パートは分からなかったが...。

Technique:
映画の構成は巧妙かつ革新的か?観ていて面白い映画か?特筆すべき映画美術の質と革新性はあるか?
→ 0.9/1.5
観ていて楽しいし、希望をもらえる。映像も綺麗。撮影チームが、世界で革新的な都市・コミュニティ開発を行なっている都市をトピックごとに訪ねてゆくという章構成。

Narrative:
意外な結論があるか?価値ある感情的インパクトを残すか?伏線設計などは緻密か?
→ 1.0/1.5
21人の科学者が連名で学術雑誌・ネイチャーにて発表した論文 -人類がこのままの生活を維持すると絶滅する- が起点となっている。その論文に危機感を覚えた子持ち映画スタッフたちが、世界の「農業」「エネルギー」「経済」「民主主義」「教育」の分野で革新的なプロジェクトを実行している都市を訪ねてゆく。各章2-3つのプロジェクトを紹介していてボリューム感も満足だし、各トピックの繋がりも上手かった。最初の2トピックを見ているときは、グリーンテクノロジー信仰なきらいがあるなと感じたが、後半3トピックはそうでなかった。環境問題に取り組むためには様々なレベルの解決法があると思うが、バランスも良く紹介できてると思う。ただ、インドのケースを除いて西洋偏重なのは批判ポイントとして書いておく。

Positionality
映画は新しい視点や知見を提供するものか?公開当時と現在にどのような意味を持つか?
→1.3/1.5
全て書くとキリがないので、掻い摘んで書くと..., 経済(主にイギリスの通貨経済)と民主主義(アイスランドの市民議会とインドの市長さん)のパートが面白いと思った。斉藤幸平『人新生の資本論』を読了したばかりなので、そのビジュアル資料として映画を観れた。比較的有名なプロジェクトが多いが、逆に言えば知らないものも含まれてるし、これらの横の繋がり・連携を感じることは大切だと思うので、観て損はしないと思う。細かい記録は別メディアでする...。

あと、「近い将来、都市が国家に代わって世界の主導権を持つ」というビジョンはその通りだと思った。

Bonus
→0.1/0.5
『人新生の資本論』のビジュアル資料として活用できたし、今後の研究のケーススタディを探す良い起点となりそうなので。