こぅ

追いつめられた男のこぅのレビュー・感想・評価

追いつめられた男(1950年製作の映画)
4.1
'22 1/17 ジャケ写掲載していただきました。

名作【第三の男】のジョセフ&アリダ再共演のロバート・
スティーヴンソン監督による、【ラブ・ストーリー】。

観終えたイメージは、原題の方が断然良いな。


冒頭、コイントスをした後、意を決したように車を走らせる
クリス(ジョセフ・コットン)。
行き先は幼少期に住んでいた家。
今は老婦人、ブレントマンが住んでいた。
訪ねると快くあげてくれ、親切に下宿や仕事の世話までして
くれた。
幼少期に新聞を配達していた向かいの家の令嬢、エレイン
(アリダ・ヴァリ)と再会、、


ムード的にヒッチの【疑惑の影】を想起したが、それほど寄せ
てはいないかな⁈

確かにサスペンス要素も認めるが、ジャンルはドラマ、ラブ・
ストーリーとしての印象が強い。

初期のエレインからは、◯が不自由という【悲観と強情】が
見れるのだが、クリスへの 愛 は最初からしっかり持ってい
た。

それが顕著に表れる初デートでのクリスが他の女性とダンス
して嫉妬、、その帰り際、、って自分を試した⁈ような
一連のシークエンスが良い。

クリスは、終始クールだが、エレインへの想いは最初から最後
まで微塵もブレなかったし、常に気持ちをストレートに言葉で
伝えていた。

終盤には、クリスの包み隠さないカミングアウト、、

エレインの気持ちは、、

クライマックスはクリスの過去へのおとしまえ(精算)。


ラストは、2人の気持ちが以前と逆(対象的)になっている
ようで面白いが、【真(まこと)の愛】が成せる業で、確かな
希望が見える。

最後まで2人の感情は、全く 激昂 する事は無かったが、静か
に燃えるオトナのラブ・ストーリーの一編と言えそう。
【◯ー◯の恋人】アメリカ版。


*エレイン役、アリダ・ヴァリ(29)は、【サスペリア】
の面影が無い美人だった。
こぅ

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