爆裂BOX

ディセントZ -地底からの侵略者-の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

4.1
恋人メリーの家を訪ねたファーガスだが、一家は血痕を残して失踪。先住民の仕業と考えて組織された捜索部隊にファーガスも参加するが…というストーリー。
「ディセント2」と同時期にリリースされたためこんなタイトルがつけられましたが、中身はシリアスで真面目に作られたモンスター映画です。
1870年代が舞台の西部劇調の物語で、恋人に結婚を申し込む為、彼女の家を訪ねたアイルランド系の青年ファーガスが彼女の一家が失踪を遂げているのを発見。先住民の仕業と考えられ、捜索隊が組織されますが、隊長のヘンリーがとにかく無能でバカなくせにプライドが高い男で捕まえた先住民を拷問したりしてついて行けなくなったファーガスと仲間たちは別行動をとりますが、その旅の中で地中族なる存在を知っていくちう物です。恋人の行方を捜しながら旅しいていくロードムービーにもなっていて、怪物の登場シーンはそんなに多くないですね。ただ、草むらをガサガサ言わせながら周囲から迫ってくるシーンや襲撃シーンは結構迫力あります。
地中族は人間が住む前からいて、バイソンが主食だったが白人にバイソンが狩られて人間を獲物にし始めたという設定が面白いですね。ビジュアルは「エクストロ」の宇宙人や「漂流教室」の未来人を彷彿させます。獲物に毒を注入して動けなくしてから地中に埋め、内臓が腐ってきたらそれを啜るという習性がかなり嫌な感じで良いですね。
ウィリアム・メイポーザーがリーダー格で最初頼りになる存在だったのが、後半噛まれてからはヘタレていくのも面白いですね。彼が先住民の言葉を通訳できますが、自分に都合の悪い事は主人公達に伝えないのも面白いです。生きながら腐っていく姿もショッキングですね。後半出てくる先住民の女性が可愛かったですが、最後残念な事に。
終盤の地中族との戦いは主人公も足負傷してロクな武器がない状態での戦いでかなりハラハラさせられました。
解決策見つかったと思わせてからのバカな白人のせいで全てが台無しになる徒労感に満ちた胸糞鬱エンドも個人的には好きですね。
便乗タイトルで台無しにされた感ありますが、地味ながら真面目にシリアスに作られた良作モンスター映画だと思います。