ドライヤーの魔女狩りを題材にした中世ドラマ。
サイレントの「裁かるゝジャンヌ」と類似の主題で、もちろん作劇や撮影スタイルは違うが、やはり緊迫感、と言うか、モノクロームの画面が迫ってくる様な圧迫感すら感じるテンションは凄まじい。
陰影を効果的に使った画面づくりはうっとりする様に美しい。
ストイックな作劇なのに、いざというときのクローズアップの鋭さというかインパクトの強さは、やはり、ドライヤー。
アンヌ役のリスベット・モービンが情欲に溺れるほど魅力的になっていく。
女性差別的だと批判されることも多いらしいドライヤー作品。いやいや逆でしょ。男の浅ましさや愚かさをこれでもかと映画に刻印している。