Sari

気のいい女たちのSariのレビュー・感想・評価

気のいい女たち(1960年製作の映画)
3.8
ヌーヴェル・ヴァーグァーグの右岸派を支えたクロード・シャブロル監督の長編第4作。

パリの電器店で働く 4人の若い女性の退屈な昼と刺激的な夜を描く群像劇。

ジャーヌはフィアンセがいながらも束縛を嫌う。一番年長のジネットは秘密が多い。
リタは彼氏の両親を見て落胆する。
ジャクリーヌは、若くハンサムな男に騙されそうになる..。

◼️
トリュフォーの『あこがれ』に出演後、同年のクロード・シャブロル監督の長編デビュー作『美しきセルジュ』に出演したベルナデット・ラフォンと、シャブロルのミューズで、パートナーであったステファーヌ・オードランが主演を勤める。

ベルナデットとステファーヌを含めた4人の若い女性たちが、パリの街で遊び、倦怠するさまが、ドキュメンタリータッチで描かれており、いかにもヌーヴェル・ヴァーグ的な仕上がり。
ベルナデットは、ステファーヌと腕を組み、街歩きをしたり、壁や机などに寄りかかったり、若い女性の生きざまを文学的な言葉ではなく、その強い視線とグラマラスな体型を活かして、スクリーンにその美しさを刻む。
ときに奇声を上げたり、ときにおどけてみたりするベルナデットは、やや内向的なステファーヌと対照的であり、そうした女性たちの人間模様は、まさに青春群像劇と言えよう。
ステファーヌが、4人には内緒でナイトクラブの歌手をしており、ある時に他の3人がクラブを訪れ苦肉の策として、ブロンドを隠すブルネットのウィッグを被りイタリア語?の歌を披露してその場を凌ぐ、コミカルだが生々しいリアリズムがある。その後4人がナイトスイムプールへ行き、そこに執拗にナンパをしてくる男2人が居り、クロチルド・ジョアーノがプールの中に何度も頭を押さえ込まれるシーンは恐怖でトラウマになりそう。1人の青年が助けに現れて2人は交際に発展するが、ラストの展開が衝撃的。

2024/02/04 U-NEXT
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