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謎の狼女の0000のレビュー・感想・評価

謎の狼女(1946年製作の映画)
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1941年の『狼男』(狼男の殺人)からの影響で翌1942年RKO社が『キャットピープル』ついでに1943年『レオパルドマン豹男』を作り、ユニバーサル社がその見せない系ホラー手法を逆輸入したような格好の『謎の狼女』。

『キャットピープル』は男性恐怖の象徴としてのモンスター映画だったけどこの映画はマリッジブルーのテーマでそれをやってる。『キャットピープル』が『狼男』の手法を徹底させて怪異の描写を曖昧にしたまま終わらせるというオカルティックな映画だったのに対し、『レオパルドマン』は確か怪異を装った殺人事件でした的な話にしてたと思うけど、これもそんな感じ。
しかし、『キャットピープル』や『レオパルドマン』がいかに優れた演出による映画だったかがわかるっていう残念な結果に。

とにかくずっと会話による説明で話を進めて「こういう怖い夢を見た」だの「実は先祖の血筋の因縁が」だの、怪異を見せないどころか画面で何も描いてなさすぎて映画になってなくて明確に失敗してるっていうか何か勘違いしてる。『キャットピープル』には有名なプールのシーンとかバスのシーンとか、変身シーンはなくても黒豹は出てきたりとかちゃんと映像でお話を見せてくということを当たり前だけどやってて、でもこの映画はそれをやらずに単に全く何も画で見せないということをやっちゃってて。

でもラストの真相判明シーンで急に、要は見せないミステリーの勘違い手法が終了した瞬間急に普通の映画になって、突然の強烈ダッチアングルが炸裂してめっちゃグッとくるしその後の階段落ちも素晴らしいアクションで、終わりよければ全てよしな気がしてくる。

(なぜか一回だけ、被害者の首の切り裂かれた傷が映るシーンがあって、特殊メイクとかじゃなくて血糊を細長く鋭い形に塗ってるだけだとは思うけど一瞬とはいえ、息絶える前で逃げてくるシーンなので被写体が動いてて鮮明ではないのもあってリアルに見えてインパクトあった。この時代で被害者の傷とか血を直接見せるの珍しい。ていうかそれは見せるんかいっていう。)
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