このレビューはネタバレを含みます
4.29(金)円盤で視聴。
以下簡単にのみ感想をまとめる。
パッケージからドストレートなブラックジョークコメディなんだかホラーなんだかだと思いきや、ブラックジョーク(少なくともコメディではないが)ホラーなんだけど変化球で剛球ぶつけてくる作品だった。きちんとホラーでこの展開持ってけるのやべえよ。おもしろかった。
原題は主人公たちの店のイメージカラーのグリーンからきてるんですけど(直訳だと緑の肉屋)、若々しいとか瑞々しい、そして何より本作では多分、未熟の意味で取り入れてて、確実に道中はムカデ人間的頭のおかしさ展開なのに最終的に彼らが救われる話に物語が昇華させられているのがなんかもうすごい。
作中さんざいわれてるように狂ってるは狂ってるなのだけれども、ある意味、周囲がそういうふうに拡大していったとも取れる描写が積み重ねられてここに至ってるところもあるのではないかと思ったりする。
主人公たちの肉はまずいというのもそもそもまず周囲が(特に上司が)「こいつらは下に見てもいい」と判断した上で、「こいつらは頭がおかしい奴らなのだ」「こいつらの肉はまずいのだ」と決めつけて、暗に彼らの自信を殺いでいたところもあるのではないか? 彼らは他者の目を怖がるしかなく、正当な評価もこれまで得られなかっただけなのではないか? そう思うとラスト、彼らは(知的なレベルを含み)問題は抱えたままでもまっとうな自信を持つことができたというラストになっていて実に温かい作品になっているのだけど、いかんせん道中がとにかくブラックジョークであったりホラーであったりするのでやはりふしぎな気持ちである。
ラストに豚の生首をみんなが気味悪がるのはおかしいよみたいなセリフがあるけど、あの豚の生首は彼らのことにほかならないのかもしれない。
マイノリティーとか差別の話にも通じそうな話になってるのがなかなか頭の処理がおいつかない不思議さ。