映画大好きザウルスくん

レッド・コマンダーの映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

レッド・コマンダー(2009年製作の映画)
3.0
ドルフ・ラングレン監督作品第4弾!音楽パーティーでテロリストに拉致されたロシア大統領を救うため、ロックバンドのドラマーとして会場に居合わせたドルフが奮闘するのだが…というダイハーディズム全開な作品なのですが、刑務所で喧嘩に明け暮れた過去があるにしても「特殊部隊員にも勝てる最強のドラマー」という主人公設定は流石に無理があったのでは…笑

話もコンパクトで低予算感も行くところまで行った前作『バトル・ライダー』から一転し、今回は1作目以来の国家規模の事態が起こるストーリー(マドンナがプーチン大統領の前でライブ公演したところから着想を得たらしい)で低予算作品ではあるもののこれまでの監督作と比べたら明らかに製作費が増えたようだったので、一応ドルフ監督作としては1番の大作?だった気がします。

ドラムスティックを敵の顎の下から脳天に向けて突き刺したり、エレキギターの大音量で敵を驚かせてからのギターでぶん殴り&折れたネックで突き刺したりする「バンドマンアクション」は快感で、これらのシーンを入れたいがために作ったと思われる主人公の「弟を凶弾で失った過去があるため銃を憎んでいる」という設定も上手いなと思いました!そしてラストのタイマン格闘戦ではドルフが刑務所内の喧嘩で培ったというゴリ押しパワーファイトで攻めるのに対して、特殊部隊上がりのラスボスがMMA的な飛び付き技や裏投げで対抗するというスタイル分けができていたのもアイデア的に面白かったと思います👏

逆に残念だったのは終盤の銃撃戦で先ほどの銃嫌いの設定を放棄し、『コマンドー』オマージュな武器装着シーンまで取り入れて盛り上げようとしたものの結局何のアイデアもなくただ撃ちまくるだけのアクションが続いてしまい、それをわざわざスローを交えて何とか映えさせようと頑張っているのが逆にどうしようもない残念感を強調していました。初監督作品の『ディフェンダー』では銃器のバリエーションを増やして絵面を保たせて、それ以降の作品では銃撃戦自体を削る方向に持って行ったのであまり気にならなかったのですが、ここに来てドルフ監督の銃撃戦の苦手ぶりが露呈したように思えます🤦‍♂️

その他、人質たちの行動が理解不能すぎたりテロリスト達の作戦が甘すぎたり見つかってはいけない場面で大きな音をたてすぎたり、アクションシーンが全部ブレブレカメラ+早カット割という1番残念な代物(今まではこんな逃げの編集はしてなかったし、この編集のせいでせっかくのラスボスとのタイマン格闘戦も残念な出来栄えに)だったりと、個人的には残念要素の方が浮き彫りになっていた印象なのですが自慢のドラム演奏を作品に取り入れることのできたドルフの嬉しそうな顔は忘れられないので、決して嫌いにはなれない愛すべき作品だったのは確かです🙌✨