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ハッピー・エンディングのGreenTのレビュー・感想・評価

ハッピー・エンディング(2005年製作の映画)
2.5
アマゾン・プライムをウロウロしていると、「これってどんな映画だったっけかな~?」と、観たのかどうかさえ思い出せない映画が出てくるのですが、これはそういう映画の中の一つです。

『フレンズ』以外にリサ・クドローが主役級で出てる映画なんてほとんど観た憶えないので、多分、当時話題になったけど、観てはいなかったようなのですが、めちゃ奇怪な映画でした。

いわゆる群像劇というか、ゆる~くつながりがある別々の人たちがそれぞれ色々な問題を抱えているのですが、妊娠、中絶、同性愛、売春、代理母などなど、監督に言わせると「性的な流動性」を描いているそうです。

リサ・クドロー演じるメイミーは、16歳の時に母親が再婚した相手の息子(つまり義理の弟)チャーリー(スティーヴ・クーガン)とセックスして妊娠してしまい、その子を堕ろした。20年後、中年に達したチャーリーは、ゲイであることをカミングアウトし、今はギル(デヴィッド・サトクリフ)と同性婚し、パム(ローラ・ダーン)とダイアン(サラ・クラーク)のレズビアン・カップルの一人を代理母にして、息子を授かった。チャーリーのレストランで働くオーティス(ジェイソン・リッター)は隠れゲイで、密かにチャーリーに恋しているが、自分のバンドの助っ人ボーカリスト・ジュード( マギー・ジレンホール)に誘惑され関係を持つが、ジュードが本当に狙っていたのは、オーティスの父・フランク(トム・アーノルド)で、妻に先立たれたフランクは、ジュードが金目当てなのにも関わらず簡単に落ちてしまう。

メイミーは、マッサージに行ったら、男性マッサージ師のハビエル(ボビー・カナヴェイル)がマッサージ以上の「サービス」をしてくれ、それ以降関係を持ち続ける。

「Happy Ending」って、確か英語ではマッサージがオーラル・セックスや手コキで終わることを言うので、性的な話、コメディなんだろうな、ってことが分かります。でも今の感覚で観ると、女性がマッサージに行って、男性のマッサージ師にハッピー・エンディングされ(しかもガチセックス)、その後も関係を持ち続けるというのはちょっとシャレにならない。もう15年前だもんなあ、この映画。時代は変わる。

観ていただければわかるように、入り組んだ内容なのですが、字幕で「この後メイミーは・・・」みたいに説明も多くて、なかなかにわかりずらい。

女優陣は結構知っている人出てますが、男性陣は普段わき役やっている人ばかりという印象で、「見たことあるけど・・・誰だっけ?」みたいな人が多い。

この映画の見どころは何といってもジュードを演じるマギー・ジレンホールで、ボーカルも自分でやっているし、若くて自由奔放なジプシー・タイプの女の子を好演!ベリー・ショートですごい可愛いし。姿勢が悪く、胸が垂れているのですが、姿勢が悪いことがカッコいい人いるじゃないですか?なんかユル~イ感じの人?ああいう感じですごいハマってます。

また、ジュードがバンドで歌うビリー・ジョエルの『オネスティ』と『素顔のままで』がもうウルウル来てしまいました。マギー・ジレンホール、マジで歌上手いっす!ビリー・ジョエルも、昔は「だっさーい」とか思っていたけど、今聴くと心にグサグサくる。

リサ・クドローは、ほとんど見せ場ないなあ~と思いました。元々ぜんぜん興味のない女優さんだからかもしれませんが。

個人的にはゲイ・ジョークが多いこととか、堕胎することをすごく深刻に語っていて、今と感覚が違うなあとか思いながら観ていました。途中、チャーリーが、代理母がチャーリーの精子を使わなかったとかなんとかって騒ぎ始めるんだけど、そこが全く理解できなかった。けどそのことによって、チャーリーの人生は大転換を迎える。

他のキャラも、人生が大転換を迎える話なんだけど、だからと言って成長するでもないので、「だから?!」みたいな話で、複雑な割にはどってことない映画だなあと思いました。多分、こういう雰囲気が好きな人はいるんだろうなとは思いますが。私的なハイライトはマギー・ジレンホールとビリー・ジョエルの楽曲でした。
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