とり

ミノタウロスのとりのレビュー・感想・評価

ミノタウロス(2006年製作の映画)
2.6
思ってたより映像のできは良かったけど、作品から「断じてB級ではない」っていう意気込みが感じられるので、ちょっとおもしろみに欠ける感じ。
実際にはまごうことなき立派なB級作品です。
怪物ミノタウロスのCG映像と周囲との合成具合はかなりよくできてました。
さすがに邦画の大作よりもはるかにレベル高いです。
ただし身の程知らず?にもそこにお金をかけすぎてしまったのか、はたまた中途半端な俳優ギャラ代のためか、あらゆる場面でやたら少人数規模の映像だったのが残念。
村を襲う兵士だったり神殿に仕える人だったり、とにかく小規模。
そういう事情があるためか、やけにアップが多いのも気になりました。
出演者だけを収めた映像が多めで、構図とかそういうのにあまりセンスがなさげ。
中途半端な俳優というか、本編を観終わってからDVDのおまけ映像の予告編を観たんですが、そこで初めてルトガー・ハウアーが出てることを知りました。びっくり!
実質10分も登場してない村長さん役だったけど、まさかあのヒゲもじゃジジイがハウアー様・・・。若い頃の氷のようなコワモテ美男子はいずこへ。
主人公はどうしようもなくヘタレでかなりイライラしました。
ヒーローものにありがちなチョイワル系ライバルの戦士はいい感じだったけど、主人公まるでいいとこなし!
最終的にミノタウロスをやっつけるけど、なんか物凄くカッコ悪いんです。
でも逃げ足の速さはまさに主人公。突進する猛牛より速いです。ここだけはかなり笑えます。
ミノス王役の黒人さん、どこかで見た~とずっと気になってたんですが、名前を見て思い出しました。
ファイナル・デスティネーションシリーズのあやしい葬儀やさんだった!
あとザ・ロックでも裏切る傭兵役で出てました。狙撃銃のスコープにでっかい目玉が映っててすごーく不気味でした。
チョイ役でも強烈な印象を残す俳優さんですが、今回も一人勝ち状態でした。
たぶん他の人がやっても単なる悪役で終わったと思うけど、彼のおかげでググー!っと深みのあるちょっと同情してもいいかな的な悪役になってたと思います。名脇役とはまさにこういう人を言うんでしょう。
あとミノス王の妹が神田うのに見えて仕方なかった。
この映画の一番の楽しみ方は「死亡フラグ」につきるでしょう。
とにかくお約束のセリフを吐いて5分と経たないうちに必ずお亡くなりになるので笑えます。
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