ウェス・アンダーソンの恋愛コメディと聞いても、ジャン=ピエール・ジュネみたいな世界っしょ?って思っちゃった。
長編2作目にしてビル・マーレイが出てるのすごいや。
この作品までが「身近な人の死」がテーマになっていないと思ったのだけど、本作からなのね。
マックスが先生好きになって猛アタックするのかと思いきや、先生も困惑するような飄々とした態度に、天才の頭の中ってやっぱわからんな(すごいな)となる。
ウェス・アンダーソンがクリスマスを描いたら、さぞかし可愛くてキラキラしたものになるのでは?と思いきや、サンタの飾りも色褪せて見えるし、生気がなくてすごかった。
誰かの死にまつわるシーンだからかもしれないけれど。
あと劇中、珍しく時が経ったなと思った!普段は数日間の話が多いので。
マックスが後半、ショックな出来事からか、理由は描かれていないけれど生活が変わったところは成長にグッと来た。多くを描いていないところにもグッと来た。
恐らく今のウェス・アンダーソンだったら、そうゆう描き方はしない。
成長譚とか味気のないクリスマスとか、今のウェス・アンダーソンでは見れない初期ならではの物語が、素朴な感じで観られてよかった。
ぬるっとしたラスト、変にドラマチックで締められるわけでもなくて良かった。
だって私たちの人生も、華やかで大きなハッピーエンドではなく、成長とともにゆるっと続いていくから。