爆裂BOX

悪魔の毒々プラトーンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々プラトーン(1988年製作の映画)
3.8
トロマが放つ傑作馬鹿戦争アクションです。
トラブルに見舞われて南海の孤島に墜落した旅客機。奇跡的に生き残った一部の乗客たちは助けを求めて島を彷徨うが、そこは極秘で訓練を受けるテロリスト達の島だった。襲い掛かって来る兵士達に乗客たちは決死の反撃を挑むというストーリーです。
のっけから墜落する旅客機の状態を乗客に呑気に話す機長の機内放送が笑わせてくれます。
内容は旅客機が墜落した孤島はテロリストのアジトになっており、生存者達が戦う事になるというものですが、何時ものトロマ映画と比べてお下劣ギャグやグロ描写は控えめになっています。それでもエイズを武器に使うMr.SIDAや結合双生児のボス、豚鼻で常にフガフガ言ってる大ボスなど悪趣味でヤバいネタを盛り込んでいます。テロリストの中にさり気に忍者もいます。最初のキャンプのボスも冷酷な感じが悪役としてよかったですね。
生存者側も元空軍で戦闘能力がバカ高い車のセールスマンや吹き矢を装備した英国紳士、義手の老人等キャラが立った者ばかりで主人公格のヒーローとヒロインが一番キャラ薄いのが笑えます。黒人神父さんも舌引き抜かれても血でゴボゴボ言いながら歌うたったり根性ありました。戦えそうなのもセールスマンと紳士だけかと思ったら戦闘時には普通のオバサンや盲目の美女等がガンガンテロリストを倒していきます。特に前半セレブっぽかったおばさんは後半の戦いでは重機関銃抱えて撃ちまくりながら歩いたりとランボー並みの活躍だったな。
戦闘シーンはトロマ史上最も金が掛っただけあって、火薬使った爆発シーンも多く迫力があります。銃撃戦も結構迫力ありました。主人公達には全然弾当たらずに、主人公達の撃つ弾はバンバン当たって敵兵たちバタバタ倒れていく所も80年代コマンドアクションらしい大雑把さ感じれて良かったですね。爆発する櫓から飛び降りたり火に包まれたりとスタントも頑張っています。
ストーリーも適当に作ってるかと思ったら見せ場をちゃんと用意しているのもイイですね。中盤で敵に捕まった仲間が拷問やレイプを受けるシーンを長々と描いた後での他の仲間が奇襲を仕掛けるシーンは燃えます。敵のボスが「墜落機の生存者に俺の部下が殺されるか」といって主人公達特殊部隊と信じて疑わなかったけど、そりゃあんだけ兵士殺されまくったらそう思うわな(笑)テロリストたちが弱すぎるとも思うけど(笑)
敵の本拠地に襲撃を仕掛ける後半も、男性メンバーが危機に陥った所で女性メンバーが助けに来たり、中々戦場に出れず隠れていた臆病なオッサンが遂に意を決して爆弾積んだトラックで敵の船に特攻仕掛ける等燃える展開が用意されています。後半での仲間の戦死シーンは不覚にもグッときました。裏切り者にもしっかり片付ける所も良いですね。
ラストも爽快感あってイイですねぇ。エンドロールの後のオチには微笑ましい気持ちになりました。
ランニングタイム105分なのでダルイ所もありますが、トロマ映画の中では許容範囲でしょう。
人にはススメられないですが、トロマ映画の中ではかなり面白い作品だと思います。