FRANCIS

蒼き狼 地果て海尽きるまでのFRANCISのレビュー・感想・評価

1.0
日本×モンゴル、チンギス・ハン生誕700周年を記念した角川映画はオール日本人キャストによる歴史劇。

『敦煌』のような中国史を扱う邦画作品は、そこまで珍しくないものの、遊牧民のモンゴルをオール現地ロケとなると話は別だ。

反町隆史のテムジン、松山ケンイチのジョチ、菊川玲のボルテなど役者自体も自身の役柄を掴み切れず、演技の酷さが目立つ。韓国の新人Araをクランに起用するくらいならせめてモンゴル人を一人は起用して欲しかった。

そして何よりも、原作者の無知による歴史的事実の歪曲は頂けない。万里の長城は明代の様式でジャムハによるトオリル殺害、ジャムハの処刑など全てにおいて違和感を残す。

25000人のエキストラによるCG無しが売りのアクションシーンも空回りしているし、ナレーションで雑で早急なストーリーを強引に進めていくのも分かりづらい。

モンゴル史を研究している自身としては、同年の浅野忠信扮する『モンゴル』、中国の巴森扮する『チンギス・ハン』、シリアの『フラグ』、ジョン・ウェインの『征服者』など世界各国の様々なチンギス・ハン映画を観ているが本作は断トツでワーストの出来。
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