鎌谷ミキ

バットマンの鎌谷ミキのレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
4.5
【ティム・バートン監督からの解説つき①】

OPからいい✨ダニー・エルフマンの音楽、やっぱりティム・バートン作品にはかかせない。『ザ・バットマン』さらに『バッドマン オリジナル・ムービー』観てると違いがスゴイわかる。さ、純粋に楽しみますか😄

…と、思いきや連休中に注文して届いたBDにはなんと!バートン監督の音声解説があるじゃないですか!!でも今回は、字幕をバートン監督解説、音声を本編日本語吹き替えという、珍しい見方をしてみます。端折って書くので、すべて監督そのままの言葉じゃないです。内容ネタバレの解説はあまりありませんでした。長い、です↓

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・ゴッサムシティーは架空のニューヨーク設定。バットマンが住んでるような世界を作るのが楽しかった。←ここ大事!

・バットマンの内面は作品のキーポイントとなる。TV版のハロウィンの扮装イメージが強いので、心理的な側面を。なぜ恐ろしい怪人の姿なのか、人間か人間じゃないのか。それを選んだ理由は謎につつまれてる(設定)
バッドマンがあのような姿なのは"恐ろしい人格を作り出したいからだ"と想像。なので、正統なタイプの俳優ではないマイケル・キートンがピッタリだった。あえて自分で"バットマン"と言わせたのは、TV版とは違うことを観客に伝えたかった。

・ジャック・ニコルソン、彼以外にジョーカーはいない。心配があるとすれば、ハマりすぎることだった。本物のジョーカーだよ。アドリブを入れてくれてなるほどと思わせてくれた。奇妙なセラピーみたいな演じ方が見事だった。

・CGが作れずセットを作ったことで、作品に現実味を与えられた。建物は模型の方がいい。

・ハリウッド映画では、脚本を勝手に書き直される。あんな目には二度と合いたくない。作品を無視した変更はされなかったはずだ。予算でも脚本が変更された。
(監督の撮影当時のボヤきが面白すぎて作品に集中できない😂かなり強調してる、週に6日の撮影はオススメできないそうですよ💦)

・バットマンとブルースは表と裏で別人格なんだ。バットマンの場合、それが極端なんだ。キートンには知性、強さ、そして狂気が潜んでいる。マスク越しの彼の目からは、パワーと狂気を感じられた。ブルースには何となく近寄りがたい雰囲気がある。低音で抑揚のない声で演じてもらった。彼でよかった。

・バットマンはコミック。だからといって、ファンタジーすぎてもいけないので人間の生身の感覚、誇張したけど本物の人間としてみな描いた。バットマンのルーツは"オペラ座の怪人"のようだ。それぞれのキャラがホラー映画のイメージが強くなった。そして、シュールな世界を表現するのは難しい。

・オフショットでジャックとマイケルは二人見つめ合って笑っていた。和やかな現場。イギリスロケ。批判意見を聞かず撮影に集中できた。

・バットスーツのデザインはベストを尽くした。特に翼や肋骨部分。レオタードにはできなくて、重い感じに。殻に閉じ込もるイメージ。マントは数種類あり、使い分けた。カッコよく魅せるのが映画化した意味だからね。

・バットモービルは作品に合った堂々としたデザインに。曲線のフォルムでジェットエンジン搭載。何となく卑わいで攻撃的な感じだ。セットが狭く速さを出せなかったが、本物のスーパーカーさ。

・脚本のサム(ハム)はシリアスで、私の望み通り。ダークさと心理的な側面と、いくらかユーモアを混ぜ合わせたスタイルにしてくれた。

・映画館の前にバラを置くシーン。僕は映画館に強い思い入れがあり、そこにした。

・"バットマン"をやりたかったのは原作が好きなのと、心の内面を描いているからだ。二重人格的要素と、秘密主義の人間に共感した。内向的な僕はバットマンに共感した。公開当時、続編は決まってなかった。

・ジョーカーが踊って美術館を練り歩くシーンは、私の初めてのMV撮影のようだった。プリンスと会ったこともある。

・僕が抱いてたバットマンのイメージは"黒"だ。その点に議論の余地はない。原作から常に感じていた、心の闇に迫れたと思う。
シンボルに関しては、僕たち独自の解釈による心理的側面を反映し、考え抜いて完成させたものだ。

・バットマンとジョーカーは対になっている。一方は暗闇に隠れ、一方は目立ちたがり屋。しかし、どちらも狂気をはらんでいる。二人の2重性、対立の姿にほかならない。

・アルフレッドは執事で父親、母親のような存在。多様。

・特撮のデレク・メディングスはオリジナル版『サンダーバード』のスタッフだ。当時の可能な限りの技術を尽くしてくれた。

・ロビンを出さなったのは、あのビジュアルで心理描写はどう考えてもムリがある。籠もっていられるわけもなく。ジョークになり、単なるバットマンとロビンの冒険物語になるからだ。

・(特典収録当時からすると)B級感があるが、それも含めていい。でも、今ならもう少し手を加えるかな。"バットマン"は時間を経ても誇りに思える作品だ。コミックを新しいアプローチで映画化できたからだ。

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バートンのバットマンの秘密、わかってきましたね😆
私の初バートン作品が『ビートルジュース』なので、同じ俳優さんって当時観てたものとしては、キートン氏でよかったんですね👍

予想通り『ザ・バットマン』の原点は、このバートン版ということになるのでしょうかねぇ。こちらはこちらでこだわりの塊、流石の一言です✨今見ても見応えありありです。本作を観て、バットマンが大好き💚なんですから。

☆は『ダークナイト』初見直しして変動するか、な。バートン作品ではかなり好き🤩
鎌谷ミキ

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