エイデン

バットマンのエイデンのレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
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“ゴッサム・シティ”
犯罪が横行するこの街では、コウモリのコスチュームをまとった謎の人物“バットマン”によって犯罪者が病院に担ぎ込まれる事件が多発していた
記者達も食い付き話題となるも、警察はバットマンの足取り一つ追えない状況
そんな中、街では市政200年祭を目前に控え、ボルグ市長と検事ハービー・デントは、裏社会を牛耳る犯罪組織のボス グリソムを検挙することを宣言する
ピューリッツァー賞を夢見る記者ノックスは、その取材のため同僚の女性カメラマン ビッキー・ベールと共に、警察署長ジェームズ・ゴードンも出席するパーティーへと足を運ぶ
そのパーティーは、街1番の大富豪として知られる大会社の若き社長ブルース・ウェインが催したもので、会場を彷徨っていた2人は彼と出会う
ビッキーは謎めいた雰囲気を持つブルースに心惹かれるも、彼こそがバットマンの正体だということは知る由も無い
その頃 グリソムの右腕ジャック・ネーピアは、グリソムの愛人アリシアに手を出しながらその後釜を虎視眈々と狙っていた
市長の検挙宣言を知ったグリソムは足がついてはまずいと、ジャックに証拠を消すように命じる
部下と共に証拠の残る薬品工場へ向かったジャックだったが、それはアリシアとの関係に気付き怒り狂うグリソムの仕掛けた罠だった
組織と繋がるエクハート警部補に通報していたグリソムによって、ジャックはゴードン署長率いる警官隊に囲まれてしまう
激しい銃撃戦の最中 エクハートを撃ち殺したジャックは、駆け付けたバットマンによって薬品の入った液槽に転落するのだった
街が少しずつ平和に向けて歩み始める中、ブルースとビッキーも親密な関係となっていく
しかしその一方、グリソムの前に死んだと思われていたジャックが姿を表す
彼は薬品の影響で緑の髪と真っ白な肌になり、頬が釣り上がったまま元に戻らず、常時 笑顔のような異様な風貌となっており、その影響で精神に異常を来たしてしまっていた
グリソムを殺害したジャックは自らを“ジョーカー”と名乗り、バットマンに執着しながら新たな裏社会の顔として狂気じみた事件を巻き起こしていく



ティム・バートン監督がDCコミックスの人気ヒーロー バットマンを実写化した作品

1978年から始まった『スーパーマン』シリーズに続くアメコミヒーローを題材とした大作映画の流れを汲む作品
バットマンの映像化作品としてはドラマシリーズのが先ではあるけど、1986年にフランク・ミラーが執筆した『バットマン:ダークナイト・リターンズ』以降、ダークでシリアスな雰囲気の作風が原作のバットマンに根付き始めた頃の作品であるため、本作もその影響からややシリアスな雰囲気となっているのが特徴

その兼ね合いから、コミックっぽさとリアルさが融合し、そこに美術的なこだわりの強いティム・バートン監督らしさが加わった独特の世界観で、アカデミー美術賞も受賞している
バットマンやジョーカーといったお馴染みのキャラクターも良い意味で浮いていて、現実離れしたヒーローとヴィランの戦いが良い
総じて観ればコミック寄りではあるけど、常よりトンチキ国産実写映画を観ている日本国民としては普通に許容範囲かな

独自の設定もちょこちょこ見られるものの、ストーリーとしてはスタンダードなもので、かなり王道を行くストーリー
コミックほかメディアでもよく擦られる、狂気の化身ジョーカーと内に秘めた狂気を持つバットマンの対比はよく描けていると思う
ただ不殺の誓いをしている原作バットマンと違い、ナチュラルに犯罪者を殺すバットマンも拝める
狂気溢れ出しとるやんけ

主演の若きマイケル・キートンのほか、製作費の半分という多額の金額でオファーを受けたジョーカー役のジャック・ニコルソンの怪演も見どころ
数々の作品が作られているバットマン映画の原点(厳密に言うと4回目の実写化ではあるけど、大作映画の体を取られたのは初)として十分楽しめる作品ではあるので、続編と合わせて観ましょう
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