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イノセンスのcamusonのレビュー・感想・評価

イノセンス(2004年製作の映画)
3.2
映像技術的には、3DCGと2Dの手書きアニメの融合を試みていて、
質の違う映像が組み合わさることによる適度な違和感を楽しめました。

いくつか印象に残るシーンがありました。

序盤、少女(ロボット)が、人間ではあり得ない関節の動きをして、
突拍子のないところから顔が出てきて、目があったときにはハッとしました。

サバイバルホラーゲームに出てきそうな洋館ホールの磨き上げられた質感は、
見ているだけで皮膚の表面がひんやりしました。

祭りの群集は壮観でした。

枝葉の部分はそれなりに面白いのですが、
本筋のストーリーが、中途半端で、深みを感じませんでした。
もう少しひねりを加えるか、いっそオチのようなものはなくしてしまうか。

前作の特に後半は、何とも言えない冷たく悲しい空気が支配していたのですが、
本作には、あの独特の息が詰まるような張り詰めた空気は感じませんでした。

やはり映画版の攻殻は少佐がすべてなのかも知れない。と思ってしまいましたね。
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