すがり

ソウ2のすがりのネタバレレビュー・内容・結末

ソウ2(2005年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

シリーズの中では個別のゲームの差で2が1番好きな気がする。
鍵を入れると発砲されるとか、腕を入れると逆刃で無事には抜けなくなりその上注射器も粘着されていて薬だだ漏れとか、安易に助かろうとする心の隙間を搦めとる絶妙なものが多かった。

結果的に脱出という点での答えは初めからそこに備えられているというのも1作目の秀逸なアイディアを引き継いでいると思える。
物語上の仕掛けである息子の行方に関しても同じことで、これぞジグソウの試練としてのゲームであるとはっきり感じられるのも魅力だ。

こういったゲームを仕掛けるのは明らかにジグソウの傲慢に依るもので、どれだけ正論のような事を彼が言っていても交通事故的な理不尽でしかない。
それでも彼に対して大きな不快感が無いのは、1つは確実に、これが映画で自分自身はゲームに参加していないからな訳だけど、1つはジグソウ自身から命の炎をしっかりと見る事が出来るからではないか。
彼自身抗えない死に直面しているという事実が、ジグソウに対するいくらかの理解を促進させ、生への道筋が残されている被害者らに対して神の視点にも似た俯瞰を錯覚させる。

ただやっぱりアマンダの格落ち感が拭えないのは残念。
最後のゲームオーバーだって良い流れではあるけど、刑事にとってはゲームオーバーと同時にゲームが始まったようなもので、1作目の絶望感に比べればとても薄い。
アマンダの協力にも意外性は無い。

ソウというジャンルを決定づけた意味のある作品に違いはないけれど、振り返ってみれば後々映画というより連続ドラマの様相が強くなる兆候も見え隠れしている。

ソウという映画は2をもってして始まり、やはり終わったのだと思わざるを得ない。
すがり

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