刑務所内外に要領良く種を蒔きアウトロー界で絶大な権力を握る男の物語。
ジュゼッペ・トルナトーレの監督デビュー作品だがやはり彼の作品は好きで、冒頭のカメラワークと被写体のポーズ、捉えられた表情、神経が昂るシチュエーションだけで私が飽和してしまう。
同監督作品「鑑定士と顔のない依頼人」「マレーナ」などトラウマ級の抉りも散見され、長編で散々追ってきた教授という人物が焼き付くラストシーンが堪らない。
姉役のラウラ・デル・ソルの演技がお気に入りで、偉大な教授を支える姉という威厳を要求される役柄の中で女性らしい感情の出し方が巧い。
「ライフ・イズ・ビューティフル」他のニコラ・ピオヴァーニの音楽も場面に躍動感が出るもので素晴らしかった。