ヒメ

レ・ミゼラブルのヒメのネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(1934年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督 レイモン・ベルナール

1934年公開のフランス映画。

フランス文学を代表する、
美女と野獣、星の王子さま。
ミュージカルや映画化が有名な
レ・ミゼラブルは、ジャン・バルジャン
司教さん、ファンティーヌ、コゼット
ジャベール警部、小説のストーリーと
登場人物其々の個性感や全体のダークさ
子供心に強く突き刺さって強烈な思い出。
特に主人公ジャンバルジャンは
「良心に恥じないよう懸命に生きたひと」
のようなフレーズが確かあって、とにかく
警部に捕まりませんように!という想い
強かった気が
大人になって色々なことを知ると
当時の政治(歴史背景)亡命生活などから
「貧しい者には哀れみを」(無知と貧困)
ユゴーのそのような想いの中のひとつが
根底にあるお話だったのですね

この作品約90年前に制作されているので
特に第三ロールのキズは酷かったらしく
液体で一度浸したりと、近年では2012年、
勿論何度も修復されているらしいと
一部ずつOPに説明が入るのだけど
通してモノクロ映像は素晴らしかった
フランス語で観る作品は初めてだったし
やはりフランスが舞台なので
とても良かった
もっと知られてほしいな、この作品。
私は半分ずつ観ましたが
300分飽きるどころか...歌は勿論ないけど
ずっとずっとワクワク
まだ観ていられるというきもち。

小説からも勿論想像はできるのだけど
バルジャンが裁判所へ走らせる馬車の
勢いや音、おどろおどろしした暗い森
コゼットを想う母ファンティーヌ(歯..)

ボロ切れのような洋服から見える小さな靴
大きな水汲みバケツを持つちっちゃな手
バルジャンがくれたフランス人形を
胸に抱きあやす天使のようなコゼット
素晴らしい映像がたくさん。

因みにヒュー・ジャックマン演じる
バルジャンとは違い
スタイルは良くないし顔も怖い。
けれど、司教さんとの出逢いから改心し
マドレーヌ市長となった彼が
同じ人物とは。初めわからなかった。
"良心に恥じないよう懸命に生きた主人公"
もうジャン・バルジャンにしか見えない
最期の病床のシーン、、、やはり涙涙

「コゼット、お前が時々会いに来てくれたら
私は幸せだ。」(「神父様を呼びますか?」)
「いや、もういる。神は公平だ
時として人間の方が不公平を生む。」

"さらば子供たち。平和に暮らせ"

ラストに映るのは銀の燭台
司教さんの、あの優しい嘘。
ヒメ

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