このレビューはネタバレを含みます
ううむ、この映画は一筋縄ではいかないな。とりあえずホルヘは基本的に不幸だし、これからも不幸になることだけは分かった。
他は何と言えば良いのかかける言葉が見つからない。リンチが嫌で出産棟に移りたいのは分かったけれど、それを誰でもいいから妊娠させる人を選ぶってオイ。そして兄は兄で、弟にやらせることじゃないだろと。
この二人の常識がバグっていてホルヘはまともに見えるけど、ホルヘはホルヘで違うくないか? 一度セックスをして情が移ってしまっただけなのでは、、 まあこれに限らず管理人やりたくなくて放火とか断れない性格とか彼中学生みたいだよね。
友人は友人でゲイマッサージに行くとか、親から金をせびるとか、これもバグっている。
そういう性をひっくるめてこの映画は成り立っているんだろうけれどさ、ちょっとあまりにぶっ飛びすぎていて、どう受け止めていいのかわからない。
邦題の「官能」はついぞ見られなかった。またセンスのない邦題かよと思ったら、限りなく黒に近い深青とか、どっかの村上龍がそんな小説あったな、と思い出す。
これって多分スーツのことを言ってるんだよね。あのスーツを求める欲求もよくわからなかったなあ。あれが彼にとって幸せのシンボルなのだろうか。
しかし、考えてみれば、髭面だったりガタイがデカかったりはするけれど、みんな20代の青年で道に迷ったりしている半ばの物語。そこに青春があるのか、と考えるとそうでもないけど、まだ何も決まっていない、決めたくない、と悩んでいる姿はたしかに青春だったのだろう。