ーcoyolyー

処刑人ソガの凄まじい人生のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

処刑人ソガの凄まじい人生(2009年製作の映画)
3.8
「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」読んだばかりなので邦題であからさまに引用しているドミニカ共和国の映画、大当たりか大外れかどちらかだろうと思って観たら当たりの方だった。

この映画に先行して「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」が発表されたというかあの小説がヒットしたから通った企画ともおよその想像はつくのですけど、思った以上に世界観が地続きだった。あのキモオタデブ男(米ドルだけはそれなりに握ってる)がこの地でどうやって過ごしていたか手にとるように伝わってくる。少しオスカーぽい雰囲気の子もキャスティングしてたし。NYも舞台として挿入されてきたし。

ドミニカ共和国、本当にこういう国なんだな。オスカーよく大丈夫だったな。(いや実際にはだいじょばないけど)


今のドミニカ共和国民なんてトルヒーヨ政権を生き抜いた人かその子孫で構成されてるので漏れなく「凄まじい人生」にはなってておかしくないんですよね。この邦題圧倒的に正解だった。あの空気感、質感、人々、映像として私が小説読んで想像したものがそのまま解釈違いなくすっと入ってきた。確実に「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」読者に届く邦題にしたのはターゲットよく分かってた。「処刑人ソガの短く凄まじい人生」までまるっと行っちゃっても良かったと私は思う、あのラストなら。処刑人ソガとしての人生を指すのなら。

映画観た後に読んでも映画観る前に読んでも両方の作品世界の解像度が格段に上がるからこの小説も併せて読んでみるといいよ。読めば映画で省略されてる背景もよくわかる。
マジックリアリズムミーツAKIRA的な、ダフトパンク的な存在感の小説↓
オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4105900897/ref=nosim?tag=marginalism22
ーcoyolyー

ーcoyolyー