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少佐と少女のメルのレビュー・感想・評価

少佐と少女(1942年製作の映画)
3.8
それまで脚本家としてヒット作を出していたビリー・ワイルダーがハリウッドで初めて監督した作品。

電車代が足りないので子ども料金で乗車しようと12歳の少女の振りをした女性のその後のあれやこれや。

フレッド・アステアと数多くのダンス映画に出ていたジンジャー・ロジャースが「恋愛手帖」でアカデミー主演女優賞を受賞した後の作品で、すでに30歳になっていた彼女をコメディーに挑戦させたのかな?という感じもする。

少佐役のレイ・ミランドも「恐怖省」や「失われた週末」の暗いイメージとは打って変わって能天気な役で、少女に恋する自分に戸惑う姿や表情が笑える。

現実問題としてあり得ない!とか馬鹿馬鹿しい!と思いながらも、ちょっとした台詞が粋だったり、ジンジャー・ロジャースの演技が笑わせてくれるのでつい引き込まれて観てしまう。

本物の少女に嘘がバレてからの展開がまた面白いし、ちょこっとタップダンスを披露してくれるロジャースの足捌きも健在でした。

ビリー・ワイルダーはオーストリア生まれで彼もナチスから逃れて来た過去があり、母親は収容所で殺害されたのだと今回初めて知りました。
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