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少佐と少女のCANACOのレビュー・感想・評価

少佐と少女(1942年製作の映画)
3.3
1942年公開、ビリー・ワイルダーのハリウッド初監督作品。同氏の作品鑑賞12作目。『失われた週末』で主演を務めたレイ・ミランドが少佐役を演じている。

出張頭皮マッサージでセクハラしたオヤジをその場でとっちめるほど度胸のある女性・スーザン・アプルヴァル。その一件で仕事を辞めてギリギリのお金で実家に帰ろうとするが、運賃が値上がりしたため切符が買えない。そこで、12歳になりすまして汽車に乗るという奇策に出るが、車掌にバレそうになって駆け込んだ個室の客がたまたま親切な陸軍少佐で、“本気で12歳と信じた”ことから始まる超年齢詐称ラブストーリー。

ビリー・ワイルダー作品で垣間見える、いい意味での出鱈目さや大ボケ、そして色っぽい話が散りばめられている。

少女役を演じたジンジャー・ロジャースは当時31歳だったらしいけど、外国人女性って日本人よりも成長速いし、そのなかでもふくよかなタイプで華奢感がゼロ。ギャップで笑わせようとしたのかもしれないけど、もう少し寄せられる女優を選んでもよかったのでは?

当時から全世界が突っ込んだと信じたい「12歳設定は無理、というか痛い」変装。でも、とんでもなくピュアな男性が出てくるのも同氏の世界の特長なので、“本気で12歳と信じる”大ボケ少佐がいても、おかしくはない。ただ、少佐の婚約者や上層部、少年たちも全員信じるというのはどうかなあ。

ただ、大人子ども含め、性的な対象として自分を求めてくる“蛾のような”男たちに対して、少佐だけが紳士的だったので、それに惹かれるという筋は納得。主役の男女の設定が、ちょっと『教授と美女』と似ているので、ジンジャー・ロジャースは同作を断らなくてもよかった気が。

この作品でベロニカ・レイクを知りました(笑)。あと、後半にあのヒトが出てくるのもよかった(笑)。さすが伏線回収のビリー・ワイルダー。

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