湯っ子

マルコムXの湯っ子のレビュー・感想・評価

マルコムX(1992年製作の映画)
4.3
所属する団体や宗教を変え、主張を変えても、常に彼の芯にあるものは変わらないように感じる。
自分ひとりの尊厳を求めるところから始まり、アメリカに生きる黒人の尊厳へ、そして最終的には人種を超えた全ての人々の尊厳へ。
義理や惰性や利害関係に捉われず、信念を貫いた不屈の人物だった。
演じるデンゼル・ワシントンの凄み。街のチンピラから過激な活動家、晩年は悟りを開いたような面持ちのマルコム。二度目を再生して、それぞれの顔が全く違うことに改めて驚いた。
スパイク・リー作品は最近になって観始めていて、たいてい終盤に実際の映像を使いながらメッセージを訴える部分がある。これがなくても重厚な人間ドラマとしてじゅうぶんな気もする。ない方が映画としてスマートだとも。だけど私は監督のそういうとこ嫌いになれないし、支持したいと思っている。
湯っ子

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