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ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生のcamusonのレビュー・感想・評価

3.5
「屍人荘の殺人」を読んだ影響で見たくなったので見てみました。
この題材で、この時代で、モノクロは珍しいと思いました。

アクションシーンで、パンチが当たってないのに、
当たったことにして吹っ飛んだり、倒れる演技を見て、
先行きが危ぶまれたのですが、
後述するように、作品の肝はパニック下での人間描写なので、
慣れると気にならなくなります。


今でこそゾンビ映画というと血みどろ要素満載ですが、
ゾンビ映画の元祖と言える本作に、
スプラッター要素がほとんど無いのは驚きで、とても新鮮でした。

ぱっと見、生きてる人と見分けが付かないのですよね。
帰還した金星探査衛星の爆発による放射能の影響で、
ある地域の、埋葬される前の死体が生き返ったという設定なので、
肉体はほとんど崩れていなくて、メーキャップに凝るようなことはしてません。

ゾンビ一人一人は動きが鈍いので大して強くなく、
不意を突かれない限りは退治可能なのですが、
群れをなすと、とても難儀するというもので、
先日読了した「屍人荘の殺人」のゾンビの設定に近いと思います。

ゾンビの群れに襲われて、ある家に避難してきた男、女、カップル、親子が、
この非常事態にどう対応するかという人間ドラマ的な要素が強く、
そこの部分がしっかりとつくられているので、
ホラー要素が弱いにもかかわらず、とても楽しめました。
エンディングは、期待に応えてくれました。
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