イチロヲ

ライフ・オン・ジ・エッジのイチロヲのレビュー・感想・評価

ライフ・オン・ジ・エッジ(1989年製作の映画)
4.0
勤務先の上司をディナーに招待した夫婦が、昇格を賭けた"おもてなし作戦"を決行する。ディストピアを舞台背景にしながら、「権力者 対 労働者」のドタバタ劇を描いている、風刺系ホーム・コメディ。

監督を手掛けているのは、特殊メイクアップ・アーティストのトーマス・R・バーマン(「ハワード・ザ・ダック」などに参加)。奇抜なアートワークが冴え渡っており、チューブとパイプと寄生虫に依存している、近未来の生活様式を楽しむことができる。

女誑しの利己的な上司に翻弄される主人公ファミリーが、ブチギレ寸前の喜劇を繰り広げる。冒険好きの末っ子、恋愛に浮かれる長女(新人時代のジュリエット・ルイス)、ロックに傾倒する長男などが、「ブラック風味のシットコム」を展開させる。

家族の日常風景に魅力が集約されているため、後半から始まるワン・シチュエーションのセリフ劇に疲労感を覚えてしまうが、権力を相手取ったブラック・ジョークとしては及第点。コントラスト高めの色彩設計もエクセレント。
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