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ボーン・イエスタデイのzoeのレビュー・感想・評価

ボーン・イエスタデイ(1950年製作の映画)
3.9
予想以上におもしろくて、良い作品だった。物語のテーマについては時代が時代なのであまり真剣に受け止めずに観るのが良いです。

ユーモアたっぷりな作品だった。大笑いしてしまうほどではないけど、所々くすっと笑えるという感じ。本当に教養を身につけるべきはビリーではなくハリーのほうというのが一番の皮肉。

ハリーはビリーに対して酷いことをしたり、言った後もしきりに『愛してるんだ』と言っていたけどあんな態度じゃビリー本人にはもちろん、周りにいる他の人にもビリーに対する愛は伝わらない。

ビリーがハリーに対して、彼も知らない言葉で言い返すシーンは観ていて爽快だった。

特に観てて面白かったのは、お手伝いさんが部屋のなかを通るとビリーもハリーもピタッと口をつぐみ、出ていくとまたすぐに口を開くシーンとポールがビリーのちょっとした間違いを間髪入れずに直すシーン。

ポールとビリーが国会議事堂と議会図書館観光するシーンと、ウォーターゲートコンサートの後にビリーがポールに自身の父についての話をするシーンが好き。

2人はビリーが教養を身につけるために色んな場所に行ったりしながらお互いへの愛を深めていたけど、ポールはきっとビリーが勉強熱心じゃなかったとしても彼女に恋していたように思う。

ポールもビリーも眼鏡姿がすごく素敵だった。あと、ビリーのファッションがどれも本当に良かった。

この時代の映画では、先日観た『ギルダ』然り、結婚相手や婚約者である人が自ら種をまいてしまうというか、自ら相手が恋をする男性を招き入れてしまうというのが多いのかなと思った。
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