Omizu

ボーン・イエスタデイのOmizuのレビュー・感想・評価

ボーン・イエスタデイ(1950年製作の映画)
3.5
【第23回アカデミー賞 主演女優賞受賞】
『マイ・フェア・レディ』などの巨匠ジョージ・キューカー監督が手掛けたラブコメディ。主演のジュディ・ホリデイは『サンセット大通り』グロリア・スワンソン、『イヴの総て』ベティ・デイヴィスを降して主演女優を受賞した。その他アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、衣装デザイン賞の5部門にノミネートされた。

アメリカ万歳な『マイ・フェア・レディ』といった趣の作品。甲高い声で教養のないビリーをジャーナリストのポールが家庭教師するうちに愛が芽生えるというよくあるラブコメ。

ビリーが学ぶのは専らアメリカの独立史。ホワイトハウスやナショナルギャラリーなどアメリカが誇る文化のみを学ぶのが引っかかる。教養と言うのなら外国にも目を向けるべきだと思うが…

とはいえつまらない訳ではなく、ジュディ・ホリデイとウィリアム・ホールデンのケミストリーはみていて微笑ましい。ビリーが一人の人間としての自我を目覚めさせていく過程がユーモアたっぷりに描かれていく。

最後までビリーの甲高い声は変わらない。一朝一夕の教育でずば抜けて賢くなるわけでもない。そのあたりは誠実な描写だと思う。無理のない成長がリアル。
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