ダイナ

ツイステッド・ナーブ 密室の恐怖実験のダイナのレビュー・感想・評価

4.3
イギリス制作サイコスリラー映画。メインテーマの幻想的で可愛らしくも不安になるキャッチーなメロディは一度聴いたら脳内で粘りついて離れません。

家族関係に苛立ちを募らせる青年が家族や下宿先の人達を欺き隠れながら欲求衝動を爆発させていく様子が描かれます。青年ジョージーを演じるハイウェル・ベネット。演者の演技と作中の演技(?)、底知れぬ性欲を感じさせる恐怖含め複雑な役柄を見事に不気味に仕立て上げていて素晴らしいです。過激な映像表現は控えめにも関わらず不安と恐怖を掻き立てる演出には目を見張るものがあり、特にガレージでの一連の顛末のスリリングさ、物置での映さない「想像させる恐怖」、クライマックスのジョージーがとった行動は意味が分かる瞬間唸らされます。某有名作品のクライマックスに通ずるものがある「機転」、技巧派な捻りが印象深く残ります。

冒頭の明言の通り精神薄弱自体をつるしあげる作品ではなく、周囲がどう受け止めるか、その上でどう行動するかという点をストーリーの鍵としているに過ぎません。(冒頭で当時の批判に触れていましたが当時の本作の評価はどうだったのか…)登場人物達が終盤に向けて絡んでいく様は束ね上げられていくようである意味ツイスト。衝動の末路をスリリングにまとめ上げた一作。観終わった後は誰しもがテーマを口ずさむこと間違いなしでしょう。
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