母親の異常な愛に支配され、35年間も部屋から出ることのなかった主人公の男バビーが、外界に触れることによって新たな人生の一歩を踏み出してゆく姿を描く
『ルーム』や『ブリグズビー・ベア』のその先というか、なんなら『フォレスト・ガンプ』にも通ずるようなテイストでめちゃくちゃ面白かった
カウリスマキの『罪と罰』の主人公にも似てる独特な薄毛の男性
本作はとにかくこのペーソス溢れる無垢な主人公を演じたニコラス・ホープさんの凄まじく自然な佇まいと演技が物語の説得力をぐんと高めてくれる
まるで実際に35年もの間外に出られず、家以外の世界を全く知らなかったような振る舞いが尋常じゃなくリアルで素晴らしかった
閉鎖的で見るからに異様な光景からはじまり、ただならぬ映画である事を予感させるオープニングにがっちり心を掴まれ、そのまま全く先の読めないぶっ飛んだ物語展開ではあるものの、温かなヒューマンドラマへと無事に着地していくのは意外だったけど、それはそれで全然あり
あまりにもファンタジー全開のご都合主義的ではあるけど、ほっこりとするようないい話に終結していくので、設定からドン引きしている方も見て損は無いかと
〈 Rotten Tomatoes 🍅※100% 🍿88% 〉
〈 IMDb 7.4 / Metascore - / Letterboxd 3.7 〉
2021 自宅鑑賞 No.451
