うみぼうず

悪い子バビー/アブノーマルのうみぼうずのレビュー・感想・評価

4.0
何とも形容しがたい映画だったけど結論としては面白い、となるなぁ。35年間監禁され外を知らずに生きてきた青年が、外部に出て影響され影響を与え変化していくお話。
最低、最悪な中だけど育ってきた環境が悪いだけでバビー本人には悪気も悪意もない、純新無垢な存在。不思議と不快感を感じないのは、バビーの純粋さゆえか。精神異常ではなく単に未成熟、無知であるだけという、何とも絶妙なバランスで成り立っている。

その真っ白なキャンパスに、他者が介在することによって価値観や善悪の基準が歪んで…みたいなのも想像してたけど、そうはならないのも良い。善悪や常識や価値観は後天的なもので、教育や環境によってはぐくまれるんだなぁと。
でも人間的な善性は生来備わっていて、特に純粋な子どもであるバビーは時に庇護の対象として、時に風変わりな仲間として捉えられる。あのバンドの人達が、展開上の悪役でなくて本当に良かったし、彼らの思考は将来の成功に繋がるものである。(バンドとしての成功かはともかく)

神が人を作るのではなく、人が人を作るということがテーマの一つなのかとも思う。
異常性ばかりが独り歩きしそうな映画だけど、非常に面白い映画でした。
うみぼうず

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