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悪い子バビー/アブノーマルのNのレビュー・感想・評価

4.1
バビーの異質さ、置かれている状況の異常さはわかりつつも、バビーの取る倫理観のない行動一つ一つは至極当たり前に思えた。

前半部分の淡々と映し出される日常は無機質で気持ち悪く、でもそれしか知らなければ違和感を得ることなんてないのだろう。
そこにやってくるバビーにとっては父親が異質であった。それから外に出るまで長い長い…。ただ一歩外に踏み出すという行為がバビーにとってどれほどデカい出来事であるかということも容易に想像できる。

倫理観も会話も知らないバビーが”生活”を得るまでの過程。人が成長していく上で周りの環境や人間がどれほどまでに影響しているのかを体現している映画だと思った。

きっとバビーが初めて出会った人があのシスターじゃなければ。車を下ろされた時にバンドの人達が拾ってくれなければ。
悪いことは沢山したけれど、それ以上に感情や優しさに触れるということがあのラストを迎える要因になったのだと感じる。
ラストするすると流れるようにいって気持ち悪くもちょっと美しかったですね。所々に感じる無神論のところだけ監督の意図が滲み出てたけれど、バビーは神というよりかは人間に創られていった気がするのであながちこの映画自体の伝えたいことってそうなのかもしれない。
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