デニロ

旅情のデニロのレビュー・感想・評価

旅情(1955年製作の映画)
3.5
冒頭からやけにハイテンションな台詞回しで、あれ、こんな映画だったっけ、と記憶の曖昧さを罵る。

キャサリン・ヘプバーンの所作に暫くは観ていていたたまれない気分になる。同じ境遇の女性もいるだろうに、どんな気持ちで画面を見つめているのか。気位が高く傷つくことから距離を措く。上手に人と交われない。

餓えたこどもの様に目の前にあるラビオリを食え、とにやけた男のロッサノ・ブラッツィに俺を食えとばかりに挑みかかられるキャサリン・ヘプバーン。よよ、と泣き崩れ男と女の情を交わしてしまう。何だかよくわからん。

その後はバラ色のヴェニス観光。ヴェニスにおそらく行けないわたしには貴重な場面です。

名作と呼ばれるらしいが誰がこんな映画を支持したんだろう。

ラストのにやけた「くちなしの花」は爆笑ものです。

1955年製作。原作戯曲アーサー・ローレンツ 。脚色デイヴィッド・リーン 、H・E・ベイツ。監督デイヴィッド・リーン。

第二回・新午前十時の映画祭 にて
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