これは決してホラーではない、紛れもなくコメディ。
しかもかなりハイレベルなやつ。
この何とも言えない「間」と面白いのかつまんないのか分からない絶妙な「ギャグ」が作り出す世界観は一体どう表現すればいいのか…。
めちゃくちゃ言葉で説明しづらい映画なので、もう実際観て体感してくれとしか言えないなー。
あらすじ自体は全く珍しいもんでも何でもなく、謎の老人から古いお屋敷を譲り受けた男が、家族でその屋敷を訪れ「ファニーマン」なる悪者ピエロを蘇らせてしまうというありがちなもの。
この事の発端である謎老人を演じるのがクリストファー・リーっていうのはちょっと面食らった。
大好きなんですよクリストファー・リー。めっちゃイケおじ、くっそかっこいい。
本作はファニーマンが屋敷を訪れた人間たちを次から次へとブッ殺していく訳なんだけど、この殺人バリエーションがとても豊富で面白い。
爆死、感電死、ハイヒールでメッタ刺し、生首サッカーで華麗なシュート&キャッチ!(脳みそと目ん玉がメガネごと吹っ飛ぶシーンは思わず興奮して笑いがこぼれたから是非観て欲しいやつ!)
ただ、これだけだと何処にでもありがちなスラッシャーかもしれない…でも芸達者なファニーマンさんは一味違う。
一人殺すごとに女装やらユニフォームやらに衣装チェンジ、カメラ目線で我々に語り掛けながら、くだらないギャグを交えてまるでコントのように人を殺していく。
このギャグがイギリス的センスなのか何なのか知らないけど、低レベルすぎてウケる!マジでくだらない!もはや面白くなさすぎて面白い!
あと台詞と台詞の間の何とも言い難い「間(ま)」がシュール過ぎて「何なん!?その間!!」って何回心の中でツッコんだ事か。
ファニーマンさんが醸し出すこの独特の空気感は本当文章で書くのが難しい…。
先にも書いたように、自分の目で実際観てくれとしか言えんし、真のB級やポンコツ映画好きにこそ観て欲しいやつ。
正直なところ私にはちょっと高レベル過ぎて、度々意識ぶっ飛びそうになったけども、好きな人はめちゃくちゃハマると思うなーこの空気感。