クリストファー・リーヴ演じるジャーナリストが記事を捏造したことでモーガン・フリーマン演じるポン引きとの繋がりが生じるサスペンス。モーガンは今作でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたので彼の出世作とも言えそうですが現在の日本では忘れ去られてそうな作品。
周りの人間が犠牲になるジャーナリストの自業自得とも言えそうな展開でマスコミの横暴さは想像より描かれず結末も想像通りと、退屈はしないものの内容的には可もなく不可もなくとった感じですが、やはりモーガンのキャラと演技がインパクト大。陽気な性格と思いきやジャックナイフの如く非情で暴力的な人間性を剥き出しにして割れた瓶やナイフ片手に娼婦達を脅す様は鬼気迫るものでノミネートも納得の演技と言えそうです。
BGMは晩年のマイルス・デイビスが担当。一部の曲は典型的80sなシンセやリズムが聴こえるものも有り彼ならではのミュート・トランペットから生じる乾いたハードボイルドな雰囲気がオミットされてる印象ですがエンディングテーマは彼らしいもの。
クリストファー・リーヴと監督のジェリー・シャッツバーグは実際のニューヨークでの撮影を望んだそうですが製作を担当したキャノンフィルムの予算の関係で実際の撮影場所はカナダ・モントリオールだったとか。