爆裂BOX

スパイダー・パニック!2012の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.0
"砂の悪魔"と呼ばれる巨大な猛毒グモが、銃撃戦で死亡したアメリカ伍長の遺体に侵入。棺から這い出し、人々に襲い掛かるクモをスタージェス大尉と町の住人は迎撃しようとするが…というストーリー。
無数の巨大人食いグモと人間の戦いを描いたモンスターアクションです。監督は「コモドリターンズ」や「コモドVSキングコブラ」等を手掛けた先日亡くなったロジャー・コーマン門下生のジム・ウィノースキーです。
ゲリラとの戦闘中に現れたラクダグモが現れ種ぐ液を受けたゲリラは全滅。スタージェス大尉は任務を終えて戦死した伍長の遺体を故郷へ運ぶことになるが、途中事故に遭い、放り出された棺から遺体に侵入していたクモ達が逃げ出して田舎町の住人を襲い始める、という内容です。
タイトルに「スパイダー・パニック」とついてますが、当然ながら続編でもなく何の関係もありません。
登場するのはラクダグモと呼ばれる種類で、正確にはヒヨケムシというクモの仲間ですね。作中でも「6本脚だからクモじゃない」とか言われてますし。実際は15㎝くらいのサイズですが、作中では子犬や中型犬くらいの大きさで出てきます。何故こんな巨大化しているかの説明は一切ありません。冒頭でタリバンと米軍が銃撃戦してる最中にいきなり登場してタリバン襲い、その後戦死した伍長の口から侵入して棺の中に潜みますが、G棺から出た時は数匹くらいだったのがあっという間に町中に蔓延るくらい繁殖します。CGですが、そのクオリティはPSレベルです。攻撃方法も飛び掛かって噛みつくくらいで、面白味には欠けますね。血飛沫もCGですしグロさはないです。
ストーリー展開は「戦死者の遺体にくっついて田舎町に来たクモ達が人を襲い、住人たちは戦ったり逃げたりする」という本当にそれだけのストーリーです。冒頭からクモは大量に出て来て人を襲うのは出し惜しみないですし、人間側も銃で撃ちまくってくれますが、本当にその一本調子なので流石に単調に感じますね。やられかたも大体不意打ちや銃撃ちまくってて多勢に無勢でやられるってパターンですし。
主人公の大尉と部下の女軍人、ダイナーの経営者夫婦やダイナーに居合わせた離婚寸前の夫婦やその一人娘、悪徳不動産などそれなりにキャラ揃ってますが、印象に残るキャラはいなかったな。主人公達と並行して描かれる大学生組も、流れ的に主人公達と終盤で合流するんだろうなと思ってたら、終盤全く登場せずに終わったけど、一体どうなったんだ?悪徳不動産もダイナー立ってる土地狙ってて、「経営者が死ねば土地問題が一つ解決する」とかなんかやらかしそうなこと言ってたけど、特に何もしなかったな。
ラストも軍隊が何とかするから大丈夫だろう!って結構投げっぱなしなオチでしたね。でも、最後のドライブインシアター映した映像は、観客が死んで誰もいない中、ポップコーンやフランクフルトの機械や映写機は動き続けているという、日常が異変に塗り替えられた感じが出てて味わい深かったですね。
まあ、この手のC級見慣れてる人なら暇潰しにはなるかなぁ?という作品ですね。