藤原直樹

スナッチ・アウェイの藤原直樹のレビュー・感想・評価

スナッチ・アウェイ(2003年製作の映画)
4.0
平凡で退屈な人生を送る女性が犯罪に魅力されて いく姿を描いたクライムアクション。 監督は『スパニッシュ・アパートメント』のセド リック・クラピッシュ。 軽快でテンポの良い演出は『スパニッシュ・アパ ートメント』にも通じ、才気を感じる。

強盗によって変わっていく主人公の姿はまるで刺 激的な犯罪という行為に生きる意味を見出したか のようだ。 前半は引きのカットで主人公の孤独感を描写して いたが、犯罪に加わってからはビビッドな描写が 目立つ。 いくら犯罪とはいえ、女性が自分の殻を破って賢く生きる様は勇気をくれるはずだ。

難を言えばもう少し他のメンバーの人生も掘り下 げてほしかった。 中途半端に描かれても彼らの人生が頭に入ってこない。 それと物語にヒネリが欲しかった。 あーなってこーなって・・・まるで教科書のように ストレート。 もう少し変化球が欲しい。

なんだかんだ言って『オーシャンズ』シリーズが好きな方は気に入るやもしれない。 機会があれば見てみてほしい。
藤原直樹

藤原直樹