こぅ

暗黒街の復讐のこぅのレビュー・感想・評価

暗黒街の復讐(1948年製作の映画)
3.6
'20 8/18 ジャケ写掲載ありがとうございました。

10月ラスト鑑賞作品。

バイロン・ハスキン監督による、【フィルム・ノワール】。

犯罪仲間に裏切られて14年拘束、出所して復讐、やり返す
は、昨今国内外、ヤクザの抗争と変わり無い。

「一度、銃を使えば手放せなくなる」

原題は、私は1人で歩く、、

冒頭からの数十分は簡潔な滑り出しで、期待したのだが、
そこから脚本家がタッチしたのか⁉︎スローダウンする。

シナリオライターが複数人関わってる作品は、【纏まり悪い】
傾向があるので要注意かな。

フランキー(バート・ランカスター)のノル(カーク・
ダグラス)への復讐目的をハッキリ提示しているだけに、
そう感じるのだ。
しかし、ノルの女ケイ(リザベス・スコット)が探りとして
接近してのディナーでは、彼女の【良い女】度が出るシーク
エンスで、その後の繋ぎとしてストーリーがもたつきながらも
重要な見処に。

ノルを力尽くでと、仲間引き連れ出向くが、経営システムの
変化で全く歯が立たない上に、路地裏で3人の手下にぶちのめ
され瀕死状態に(バートのぶちのめされる演技が上手い)。

ここで、助けるケイの献身的な良い女っぷりがピークに。

これを機にノルを裏切ってフランキー側に就こうと決心した
親友デイブ(ウェンデル・コーリイ)の最期は切ない。

その濡れ衣を着せられ、、

観る者の怒りも同調させる。
中盤辺りのライターは中々盛り返す。

クライマックスは、今まで地味にドンパチが無かったから
無理矢理入れた⁉︎かのような展開。
ここら辺の陰影は良かった。

ここで全てケリがついて終わりなら間延び感、蛇足感は無かっ
たと思うのだが、、(ラストステージをバーに纏めれば)。

最後の決着ステージは、まだ続き、取り分も礼儀正しく、
◯を持たずに◯で決着着けようとしたフランキーは、カッコ
良い。

これが本作の一番の【売り】。

ノルの【悪あがき】は、カーク演ずるキャラらしいと思った。

霧の中消えて行く2人のラストショットが決まる。

総評として、3人のライターによるギクシャクした、贅肉の
あるスマートじゃ無い仕上がりに。

構図やコントラストなど撮影に関しては文句なし。
劇伴も各所ムード良い。


*リザベスは、歌上手いな〜。
こぅ

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